愛媛県内の公立小中学校の耐震化率は96・9%(2020年4月1日現在)となっており、全国46位で沖縄県に次いで低い状況となっている。全国平均は99・4%。県内の全棟数は1414棟でうち44棟で「耐震性がない」とされている。また幼稚園についても94・7%と全国平均96・3%を1・6ポイント低く全国33位となっている。一方、高校と特別支援学校では耐震化対策が完了している。
県内における小中学校の耐震化未完了市町は宇和島市、八幡浜市、西条市、大洲市、松前町、内子町の4市2町。うち八幡浜市と大洲市、松前町では20年度中に耐震化が完了する見込み。宇和島市と内子町では耐震化完了時期は施設の統廃合などの検討課題があり未定となっている。
【小中学校】
市町別では西条市が残棟数33棟、耐震化率73・8%で棟数・率とも全国下位5位となっている。要因として西条市の耐震改修手法は、国が推奨するIs値に基づく工法でなく、ポリエステル繊維を柱に巻き付け補強する工法(SRF工法)を用いているため、文科省の評価する耐震化に該当しないため、低位となっている。西条市は独自の耐震改修状況を公表し、小中学校の36校84棟で100%改修済としている。
残る宇和島市が96・1%で残棟数は4棟だが完了年度は未定。八幡浜市が97・6%で残棟数は1棟で、20年度中の完了予定。大洲市が92・5%で残棟数は4棟で、20年度中には完了する。松前町が96・0%で残棟数は1棟、20年度中には完了する。内子町が96・6%で残棟数は1棟だが、統廃合の協議中で完了年度は未定。
【幼稚園】
幼稚園施設の県内市町別状況は、今治市が66・7%で残棟数は2棟だが統廃合を検討中のため、完了年度は未定。
西条市は耐震化率80%となっているが、小中学校同様、SRF工法での耐震改修を実施しており、5棟で完了済みと公表している。他市町の施設は、全て耐震化済みとなっている。
提供:建通新聞社