トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社四国
2020/08/24

【高知】国交省高知河川国道など「流域治水対協議会」設立

 国土交通省高知河川国道事務所は、県や流域自治体とともに、物部川と仁淀川の「流域治水協議会」を立ち上げ、初会合を開いた。今後、流域治水の全体像の共有・検討を進め、河川や流域、避難・水防などに関する対策などを含む「流域治水プロジェクト」を年度末までにまとめ、ハード・ソフト一体の事前防災対策を加速する。
 近年激甚な水害が頻発しており、今後も気候変動による降雨量の増大や水害の激甚化・頻発化が予測されている。そのため、国では河川流域全体のあらゆる関係者が協働し、流域全体で水害を軽減させる「流域治水」への転換を進めることが必要とし、2020年度中に全国の1級河川で流域治水プロジェクトを開始。流域全体で緊急的に実施すべき対策の全体像を策定することを示していた。
 物部川水系での初会合では、国が治水対策のたたき台を提示。河川での対策として堤防整備、河道掘削、侵食対策などを進める他、今後関係機関と連携し、県管理区間の河川改修を追加する予定だとした。また流域での対策イメージとして、下水道などの排水施設、雨水貯留施設の整備や既存ダムの洪水調節機能の強化、災害危険区域といった土地利用規制・誘導などを示した。県では、現行の治水対策として永瀬ダムの浚渫を進めている他、同ダム下流域の浸水想定図を作成し、20年度中に公表する予定であることを示した。
 仁淀川水系の初会合でも国が治水対策のたたき台を提示。物部川での同様の取り組みに、現在施工中の日下川放水路整備を追加した内容とした。また大渡ダム管理所が同ダム下流域での浸水想定区域図を6月末に公表したと説明した。県では、11河川で河道拡幅、1河川で築堤を進めており、日下川・宇治川流域では国や町村と連携した再度災害防止対策を実施していると報告。流域の市町村もソフト・ハードの取り組みを述べた。
 両河川とも9月ごろに第2回の協議会を実施し、現在実施している対策やすぐにできる対策を取りまとめた当面の対策案について議論する。合わせて組織横断的に検討や調整が必要となる今後連携して取り組むべき対策案も協議し、今後の進め方を確認する。
提供:建通新聞社