徳島県建設業協会(川原哲博会長)と国土交通省四国地方整備局(丹羽克彦局長)は6日、徳島市内で意見交換会を開き、社会資本整備に必要な公共事業費の確保や国土強靱(きょうじん)化の推進などで認識を共有した=写真。協会側は、多発する自然災害に「あらためて命を守るインフラ整備の重要性を痛感している」と述べ、継続的な予算確保と県への重点配分を要望。同局側は「安定的・持続的な予算確保のために着実に事業を執行していくことが重要」との認識を示し、「引き続き地域のため早期執行に努めていきたい」などと述べた。
国土強靱化の推進について協会側は「国土強靱化対策は国と地方が取り組むべき基本姿勢であり、新型コロナウイルス感染症拡大により疲弊した地域経済のV字回復に向けてしっかりとした取り組みをお願いしたい」と述べ、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」の継続や内容の充実・強化、対象事業の拡大に加え、地方公共団体が計画する「防災・減災・国土強靱化緊急対策事業」への支援を要望。さらに、インフラの老朽化対策や高速道路ネットワークの早期整備、機能強化(ミッシングリングの解消等)、徳島道の4車線化の優先整備区間の早期着工を強く求めた。
これに対し同局は「社会資本整備に着実に取り組む」とした上で、高速道路ネットワークの早期整備や機能強化などは「『命の道』としての役割だけでなく地域域経済の好循環、生産性向上、地方創生にも資する。四国地整として最も重要な施策の一つとして位置付けている」と強調。その上で「関係者と引き続き連携して事業推進を図る」との考えを示した。
協会側はまた、新担い手3法について触れ、「働き方改革や生産性向上などさまざまな取り組みを行っているが、対象が拡大し、内容も複雑化しており苦慮している」と実情を報告。その上で「法で定められた施策に対応するためには自己研鑽(けんさん)はもちろんだが、国と地方公共団体との連携が不可欠だ。発注者の一層の理解と協力が得られるよう施策の浸透をお願いしたい」と要望。
同局は「各発注者で構成する四国品確協を設置し、緊密な連携を図り、発注者としての責務を果たすべくさまざまな施策の取り組みを進めている」とし、「今後も自治体キャラバンなどを活用し、各市町村の担当者にも丁寧に説明することで施策の浸透を進めていく」との意向を示した。
意見交換会には、協会から川原会長の他、副会長、各支部長ら9人、四国地整から丹羽局長の他、池田直太次長ら幹部と県内事務所長合わせて13人が出席した。
提供:建通新聞社