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日本工業経済新聞社(群馬)
2020/08/21

【群馬】前橋市の水質浄化センター更新で基本構想

前橋市は六供町にある水質浄化センターの再構築に向け基本構想をまとめた。概算事業費は約323億円、年度内に基本設計を委託し、より詳細な事業費を算出する。2022年度はPPP/PFI手法による民間活力導入の可能性を調査。23〜24年度に事業者選定または実施設計を行い、25年度の着工。2系列の施設とし、処理能力は5万3100/日。工事は5期に分け管理棟、し尿処理施設や水処理施設など各施設整備を進める。し尿は共同処理とする。
水質浄化センター(六供町1331)は1963年に処理を開始。休止中の1系を含み3系列で処理を行っている。最も古い施設は整備から55年以上が経過しており、更新の時期を迎えていることから、センターの再構築に向けた基本構想を策定した。策定業務は公募型プロポーザルで特定した日水コン(東京都新宿区)が担当。
現在の処理能力8万4200立方m/日を再構築後は5万3100立方m/日とする。センターの敷地内には、し尿処理施設および浄化槽汚泥処理施設が併設されており、同様に設備更新の時期を迎えている。これら施設は廃止とし、新施設で受け入れる方針を固めた。加えて、農業集落排水施設等の汚泥も受け入れるとしている。
限られた敷地内で、既存施設を稼働させながら再構築を行う必要があることから、撤去と建設を繰り返す段階的な改築作業となる。隣接する六供温水プールを先行して解体、跡地に管理棟などを建設する。その後、し尿受入施設や水処理施設などを順次、整備することにより、稼働しながらの再構築に対応する。
工事は5期に分けて行う。整備施設は◇第1期(25〜27年度)=管理棟◇第2期(28〜30年度)=し尿受入施設◇第3期(31〜37年度)=第1系水処理施設◇第4期(38〜42年度)=汚泥処理施設◇第5期(43〜49年度)=第2系水処理施設−となっている。各施設が完成した後に、現在の3系を解体して終了となる。3系列から2系列に減少することによって生じる余剰地は、将来の更新に備えたスペースとして確保する。
概算事業費は約323億円、国庫補助金を求める考え。これから基本設計に着手し、詳細な概算事業費を算出する。基本設計の委託方法はプロポーザル方式も視野に入れて検討中。方法がまとまり次第、一般競争かプロポに入る。20〜21年度の2カ年で作業する。
再構築事業は30年の事業期間と多額の事業費が必要となることから、PPP/PFI手法による経費削減効果を検証した。「下水道事業におけるPPP/PFI手法選択のためのガイドライン(案)」にある「簡易な検討の計算表」を用いて概略検討を行った結果、導入によって一定の効果があると確認。22年度に具体的な費用削減効果など導入可能性を調査し、事業方式を決める。23〜24年度はPPP/PFIの場合、事業者選定を実施。従来型の事業方式で実施する場合は同期間で実施設計に取り組む。