東京都建設局は、渋谷川・古川に調節池を新設するための設置候補地や施設の形式、規模の絞り込みを始める。検討区間(取水区間)は、渋谷区渋谷3丁目(新並木橋)〜恵比寿1丁目(渋谷橋)。整備対象となる土地の将来的な利用計画や地下構造物などを調査・確認した上で候補地を挙げ、調節池の設置位置、施設規模について基本構造などを検討する。
都は近年の豪雨の増加や、それに伴う水害の発生状況を踏まえ、目標整備水準をこれまでの時間最大50ミリ降雨から区部では時間最大75ミリ降雨に引き上げた。
目標整備水準の引き上げに伴い、約150万立方b分の調節池の整備を2030年度までに事業化することが決まっている。対象は▽石神井川▽野川▽目黒川▽仙川▽呑川▽境川▽神田川▽渋谷川・古川―の8河川。
このうち、渋谷川・古川では、19年度に策定した「渋谷川・古川河川整備計画」の中で、新たに整備が必要な調節池の容量を約22万立方bに定め、調節池の数や設置場所、施設計画の調整を進めることにした。
古川水系の渋谷川・古川は、JR渋谷駅前の新渋谷橋を上流端とし、渋谷区、港区内を流下して東京湾に注ぐ二級河川。流域面積は22・8平方`b、河川延長は6・8`。
調節池の設置候補地の選定を含めた治水対策を検討するため、業務委託の希望制指名競争入札手続きを進めており、9月16日に開札する予定。納期は2021年2月末。
委託では、新並木橋〜渋谷橋区間を対象に候補地を絞る。この区間内に適切な箇所がない場合は、周辺も調査対象に含める。
調査範囲周辺の現況と将来的な土地利用状況を整理し、調節池を設置する上で支障となる地下埋設物があるかどうかも調査。治水施設の配置や施工ヤードに必要な面積を概略検討し、既設施設や事業見込み等を考慮した上で候補地を選定する。
用地の選定は公共用地の使用を優先としつつ、条件に合う公共用地がない場合に備えて民間用地の候補も探る。
提供:建通新聞社