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北陸工業新聞社
2020/08/20

【富山】「徹底的に多目的な利用を」/氷見市新文化交流施設の設計/ナスカ・古谷代表が説明

 氷見市新文化交流施設の実施設計市民説明会が、いきいき元気館で開かれた。設計を担当するナスカ(東京都新宿区)の古谷誠章代表は、リモート会議形式で出席し、舞台と客席にバリエーションがあり、「徹底的に多目的な利用ができる」と特徴を紹介した。
 冒頭、あいさつに立った林正之市長は、リモート開催について「古谷代表に東京からお越しいただきたかったが、なるべく感染症のリスクを避けるための判断」とした上で、「昨年10月からワークショップを5回開催し、多くの団体・世代の意見を参考に基本設計、それを基に実施設計を策定した。全国で水害が増えており、他人事ではない。浸水時には避難所にも活用できるよう工夫した。入札の手続きを進めており、令和4年7月完成の工期を設定している」と経過を説明。「自分たちの文化を発信し、国内外の音楽や演劇などを吸収する施設になってほしい」と述べた。
 古谷氏は、イメージパースや敷地内の配置計画をはじめ、各階の平面図を示しながら実施設計の概要を発表。また、舞台と客席の7つのバリエーションや、隣り合うマルチスペースも加えた稼働率を高める取り組みをアピールした。「主に音楽や演劇のホールだが、高い天井を活かせば、学生の軽運動の練習ができる。徹底的に多目的な対応ができる機能を持たせた」とし、具体的には、マルチスペース、大小の楽屋や交流室は、タイムシェアリングすることで、施設を柔軟に稼働できると説明した。
 また、設計段階でハザードマップが見直され、浸水被害対策が必要となったことについて、「1階は高さ5メートルのピロティ方式とし、メーンフロアはすべて2階に持ち上げて、万が一を免れる設計に変更した。ピロティは雨や雪、厳しい日差しを避ける軒下だ。良好な屋外空間として使ってほしい」と呼び掛けた。
 説明された実施設計の概要によると、建設規模はRC造一部S造4階建て、延べ床面積1万535平方メートル(屋内5972平方メートル、ピロティ等4563平方メートル)。ホールは2階に配置。可動式座席で、シューボックス型の優れた音響性能を備える。配置計画では、1階はピロティとエントランス。2階は舞台、客席、マルチスペース、楽屋、交流室、事務室、3階は客席、機械室、4階はキャットウォーク、機械室とする。
 ホールの舞台は、間口14・4〜23メートル(演目により変化)×奥行16メートルで、客席800席。2階(1階席)がエアキャスター(空気浮上)方式による可動式496席、3階(2階席)が288席。ホール南側には回廊で囲まれた青空広場が設置される。
 なお、工事は9月9日に開札される。予定価格は40憶8930万円。

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