県土木部発注工事の入札で、2019年度に電子くじで落札決定した割合が全体の27・7%に改善したことが県監理課への取材で明らかになった。土木、舗装の減少がけん引したとみられ、これまで3割台が続いていた全体の発生率は2割台に改善。過去5年で最も低い数字となった。ただ、前年度に6割台まで回復していたとび・土工は再度7割台に戻るなど、手放しでは喜べない部分もある。
同課の集計によると、直近5カ年の入札くじ発生率(県土木部工事)は、15年度36・2%(2609件中945件)、16年度32・2%(2983件中962件)、17年度33・9%(2513件中852件)、18年度30・6%(2711件中829件)−と推移。減少傾向にある中で、19年度は27・7%(2961件中820件)と2割台まで回復した。
19年度の発生率を工種別にみると、案件数が最も多い土木一式は20・1%(1663件中335件)で、前年度比2・9ポイントの減。舗装も同1・5ポイント減の23・9%(444件中106件)となった。15年度と比べると、土木は9ポイント、舗装は10・8ポイント改善され、案件数が多いこの2工種の下げ幅が全体の改善をけん引した。
ただ、毎年度6〜7割台で推移しているとび・土工は、18年度に若干回復したものの、19年度は72・2%(331件中239件)と7割台に後戻りした。依然として、案件の大半が最低制限価格付近の応札に集中し、他工種と比べて突出していることが分かる。
建築系の工事や測量・建設コンサルタント業務等の発生率は明らかになっていないが、近年では特にコンサル系の発生率が後を絶たない。同様の事態は全国で見受けられ、発注者側は最低制限価格の引き上げや指名基準等の見直し、総合評価落札方式の導入など、側面からの環境整備を図っている状況にある。