県湖東農業農村振興事務所田園振興課は、「県営安食川地区土地改良事業(農村地域防災減災事業)」の変更計画書の縦覧を同課、彦根市農林水産課、豊郷町地域整備課において28日まで行っている。審査請求は9月18日まで受け付け、10月にも決定公告を目指す。
縦覧は、当初の想定よりも地盤が軟弱なため護岸構造や仮設工法・掘削工法などの変更等が生じ、「事業費の増額」と「事業期間の延長」を決定した18年度(平成30年度)の変更認定の、最終手続きとなるもの。決定公告後は20年度(令和2年度)分として10月にも工事1本、年内にも設計業務を発注し、来年度から27年度(令和9年度)までの事業推進を図っていく考え。
安食川地区の大幅な事業費の増額は、護岸構造や仮設工法の変更によるもの。護岸構造については、工事着手したところ地盤が調査結果の想定より軟弱だったため鋼矢板厚の変更、張りブロックの設置範囲の追加や環境に配慮したブロックへの変更が生じたため。また仮設工法についても、河川を締め切るための仮設工法において鋼矢板厚等の変更や土のうによる締切り工法から鋼矢板工法へと変更したため。
変更計画によると、総事業費は当初計画18億2300万円から16億7500万円増額し総額34億9800円に変更。工事費は14億7100円分の増となり現計画では今後、排水路工L3290bや橋梁工4ヵ所(2ヵ所は完了)の架替、既設落差工事2ヵ所の撤去、平張ブロック工修景型護岸工(高さ2・2b×幅20・6b、延長460b)、鋼矢板護岸工(高さ2・4b×幅18b、延長980b)―の土地改良施設の整備工事を発注・施工していく。また、約1億5000万円で測量設計や土質調査、家屋調査を実施、用地買収補償費は2億1700万円分を設定している。
安食川地区は、彦根市中南部を流下し琵琶湖に至る既存排水路を改修し、機能回復とともに増加した排水量に対応する通水断面を確保し、農業経営の安定と浸水、堪水による災害を未然に防止する。対象となるのは彦根市の1389・5f・受益者2125人。
これらの変更に伴い事業期間の終期も、22年(令和4年)から27年(令和9年)までに延長されている。なお、計画変更に伴う設計変更業務は石居設計が18年度(平成30年度)担当した。
提供:滋賀産業新聞