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建通新聞社四国
2020/08/19

【徳島】徳島河川国道  四国横断道の軟弱地盤対策技術検討開始

 徳島河川国道事務所は、四国横断自動車道(阿南〜徳島東)の施工済み函渠で軟弱地盤が原因とされる沈下が発見されたことを受け、原因の究明や技術的な対応を検討する委員会を発足させ、初会合を開いた。沈下概況やこれまでの調査結果を基にした沈下原因(推定)などを報告した上で、対策工法案として「不同沈下構造物特殊工法」を示し意見を求めた。検討会は今後、年度末をめどに対策工法等を決定する。
 沈下現場は小松島市前原地区のSTA・202+30付近の小松島インターチェンジ(IC)南側の本線をアンダーパスする函渠の一つ(1〜3ブロックのうちの3ブロック目)で、頂版コンクリート打設が完了した2016年5月から隣ブロック(2ブロック)と目地の開きや沈下が確認されていた。これまで経過観測を行ってきたが、今年7月末までに114_〜160_の不同沈下が発生し、2ブロックと頂版で45_の目地の開きが確認されている。
 調査結果では、当該地周辺は過去に砂利を採取した際、山土等で埋め戻されたが、3ブロック目付近端部の締め固めが不十分だったため、局所的な不同沈下を招いたと推定。沈下対策工法として、恒久性グラウトを注入し構造物を嵩上げする「不同沈下構造物特殊工法(ジャッキング注入工法=JOG工法)」が採用可能で、高圧噴射工法や大口径高圧噴射工法と比べ「経済性にも優れる」とする沈下復元、地盤補強案を示した。
 同工法では、基礎を削孔しJOGの注入管を挿入。中結注入で支持地盤を強化改良後、瞬結注入により持ち上げる。各孔に適量順次注入の瞬結注入による構造物の持ち上げと割裂注入の中結グラウトによる改良支持層形成を同時に図り、沈下を復元する。福井県敦賀市の国道27号のバイパスで1bを超える圧密沈下が発生した際、同工法によるボックス本体の嵩上げの復元実績があるという。
提供:建通新聞社