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建通新聞社(東京)
2020/08/19

【東京】都建設局 概略発注方式を試行

 東京都建設局は、同局発注の土木工事で「概略発注方式」を試行する。入札時点では全ての精密な積算までは行わず、メインの工種以外で、“直接工事費に占める金額が小さい工事種別”の積算を簡略化する。当初契約時の入札手続きで積算業務を簡略化することで、受発注者双方の負担軽減につなげる狙い。初弾の対象工事として、世田谷区内の路面補修工事の希望制指名競争入札手続きを開始した。
 概略発注方式は、対象工事の“直接工事費全体に占める金額が小さい工事種別”の直接工事費について、主要工種の直接工事費に一定の率(%)を乗じて積算する方式。乗じる率は各工事の施工規模や範囲を考慮して設定する。
 率を乗じて算出した工種は、契約後に詳細図面と数量計算書を発注者が受注者に提示して施工する。その上で、現場での施工内容を踏まえて工事完了までに設計変更協議を実施し、積上げ計上で変更対応を行う。
 概略発注方式を適用することで、直接工事費全体に占める割合は少ないものの積算に手間がかかり、現地状況などで変更が生じる可能性がある工種では受発注者双方が発注時の積算作業を簡略化できる。
 試行の対象範囲は、@建設局施行の土木工事A車道・路肩部の舗装・路盤工(車道舗装工)の施工範囲に関連して街きょ・側溝・集水桝などの構造物工(排水構造物工)が含まれる工事―を満たす案件の中から選定する。
 初弾工事は「路面補修工事(2二の8)」。世田谷区弦巻4丁目地内〜世田谷1丁目地内の延長595・30b、幅員5・95〜10・25bを施工する。
 この案件では、排水構造物工の直接工事費の積算を簡略化する。算出方法は、メインの工種である車道舗装工の直接工事費に36%を乗じた金額を適用する。
 契約方法は施工能力審査型総合評価方式の希望制指名競争入札。8月24日まで希望申請を受け付け、10月1日に開札する。
 同案件以外の工事については、検討中だという。適用する場合は、入札公告にその旨を明記する。

提供:建通新聞社