日本工業経済新聞社(群馬)
2020/08/18
【群馬】桐生市は歴史的風致維持向上計画に基づき、工事2件を発注
桐生市は歴史的風致維持向上計画に基づく工事2件について、発注体制に入る。工事は、西久方町地内を通る山手通りの歩道美装化と、藤棚広場再整備および桐生が岡動物園へ至る通路の再整備で、早ければ10月に発注する。2件を一括とするかは検討中。当初予算に工事費6000万円を確保している。また、本町地内を通る酒屋小路の再整備も検討。整備による住民の生活環境への影響検討から行う予定で、必要となった場合は踏査を委託する。当初予算には調査業務委託料100万円を計上している。
歴史的風致維持向上は、桐生新町重要伝統的建造物群保存地区と桐生が岡公園の連携強化を目的に実施する。
南北に通る山手通りの西側歩道を対象に、美装化を行う。施工区間は、北小学校(西久方町2−1−5)西側の歩道橋から北に進んだ円満寺(西久方町2−3−19)の入り口付近まで187m。単年で完了させる。
現況幅員は2m。石垣上に整備されており、車道部から2m程度高い位置にある。
使用する舗装材は、以前開催した住民参加のワークショップで得られた意見などを元に調整を進めている。周辺の景観や排水性を考慮し決定する考え。足元灯の設置も予定している。
合わせて、歩道脇を流れる水路との境界に設置されているネットフェンスを更新。車道側に設けられているモルタル仕上げの高欄は、老朽箇所で修繕を行う。
石垣は保全対象となるため、改修など行わない。
再整備を計画する藤棚広場は、西宮神社(宮本町2−1−3)の北側に位置。敷地面積は約5900uとなっている。
腐食しているS造の藤棚を撤去し、跡地にパーゴラを設置。ベンチを設け、休憩所とする。藤棚をイメージできるような施設とする考え。また、市民の寄付で各所に設置されている石ベンチの改修や移設を予定。路面は、降雨時のぬかるみ対策を講じる。舗装材は土系を軸に検討を進めている。
同広場と桐生が岡公園の女神像広場をつなぐ通路は、階段と斜路の2ルートで構成。重伝建地区と同公園を結ぶ短絡路となっている。
階段は、踏み面の玉石モルタルを活かしつつ、滑り止めや手摺りを設置し安全性の向上を図る。幅員約3〜4mの斜路は周辺景観に配慮しながら、再整備を行う。舗装材はワークショップの結果を元に庁内で調整を進めている段階。合わせて、雑木を伐採し、見晴らしを確保する。
設計業務は、都市環境研究所(東京都文京区)が担当した。
美装化を検討する市道の(通称)酒屋小路は重伝建地区内にある有鄰館(本町2−6−32)南側を東西にルートをとる路線で現況幅員3m。
周辺景観に配慮した美装化のほか、歩行者専用道や一方通行への変更なども検討。地域住民の利便性を損なわない整備とする考え。