建設新聞社
2020/08/12
【東北・福島】久米設計に委託/郡山市歴史情報・公文書館などの基本設計
福島県郡山市は「歴史情報・公文書館(仮称)および立体駐車場基本設計業務」の委託者選定に向けて公募型プロポーザル行い、久米設計を特定し、7日に2100万円で契約した。
プロポーザル参加は同社のみで、6月26日の1次審査(書類)、7月30日の2次審査(プレゼンテーション)を経て、翌31日に契約候補者として特定した。審査委員は市職員が務めた。
この施設は、市の考古資料や文化遺産、歴史的公文書等を次世代へ継承するための拠点として、2014年度に設置した歴史資料保存整備検討委員会の中で建設を立案。その後、基本構想と基本計画をトータルメディア開発研究所(東京都千代田区)が作成した。
建設場所は、市立図書館に隣接する郡山市麓山1の263の1ほか地内の4030平方b。麓山地区には公会堂や県郡山合同庁舎などの歴史的建造物、さらには図書館、文化センターなどが集積しており、基本構想では、これら施設との相乗効果による集客を期待している。
施設規模は、RC造2階建て、延べ約3180平方b。内部構成は展示(約600平方b)、交流・体験学習(約1300平方b)、保存(約1200平方b)に区分し、基本計画においては歴史スポットとして過去と現在を旅する「没入型シアター」の設置や、郡山発展の礎となった安積開拓・安積疏水事業に関する資料の展示などを盛り込んでいる。
一方、北側の敷地6809平方bには、S造3〜4階建て(3層4段〜4層5段)の自走式駐車場の整備を計画し、一部の平面駐車場を含め約600台を収容可能とする。
工事費は、歴史情報・公文書館が展示部分を除き約18億6000万円。立体駐車場は杭地業、昇降機を除く予定工事費を約8万円/平方bと試算している。
今回の業務は、両施設の基本設計一式で、履行期間が120日間。以降、実施設計を作成し、先行して立体駐車場を21年7月〜22年3月にかけて建設する。歴史情報・公文書館本体および外構、市道虎丸線などの周辺道路整備は22年7月〜23年12月に行い、23年度内の開館を目指す。
なお、歴史情報・公文書館は、同じ麓山地内で老朽化した歴史資料館の代替施設とも位置付けており、関連工事として、開館後の24年5月〜12月に歴史資料館の解体と跡地広場の整備を実施する。
提供:建設新聞社