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鹿児島建設新聞
2020/08/12

【鹿児島】垂水市新庁舎 計画白紙へ/現庁舎の耐震改修も視野

 垂水市新庁舎の移転新築は、住民投票で計画反対が賛成を上回ったことから、計画を白紙に戻すこととなった。現庁舎は耐震基準を満たしておらず、建て替える方向性のもと反対派の意見等も吸い上げながら、建設地や建物規模など基本計画を再検討する方針。6月補正予算に計上した工事請負費14億6872万円を含む事業費16億6061万円は執行しない。計画策定には時間がかかると予想され、市は現庁舎の耐震改修も視野に入れている。
 新庁舎(RC一部S造4階建5908u)は、建設地を垂水フェリー駐車場跡地とし、9月に造成、2021年1月に建築本体に入る予定だった。基本・実施設計は、宇住庵設計・NKSアーキテクツ・大隅家守舎JV。
 建設地は、基本計画案のパブリックコメント結果を踏まえ、19年の検討委員会で3候補地(垂水フェリー駐車場跡地、現庁舎、垂水市民会館)から選定。唯一敷地面積を満たしていたことや、ロケーション、コスト面で評価されたものの、住民投票では海に近い立地に防災面を不安視する声があった。
 財源面では、交付税措置のある地方債活用を見込んでいたが、要件の「20年度までの実施設計着手」を満たさなくなり、活用できなくなる可能性も出てきた。今後、国や県に対して期間の延長や利率アップなどの要望も想定している。
 移転新築事業が白紙に戻ったことで、今後は建設地や建物規模など基本計画レベルからの見直しが見込まれる。反対派の意見も吸い上げた計画策定には時間がかかると予想されており、現庁舎を耐震改修して対応する可能性も視野に入れている。現庁舎は、本館(RC造3階建2888u、1958年建設)や新館(同770u、93年建設)のほか、飲食店を改修した別館(同364u、78年建設)で構成。新館以外は耐震基準を満たしていない。

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