横須賀市は、「長井海の手公園等交流拠点機能拡充事業」の事業者公募・選定に向けて、公募設置等指針を公表した。それによると、公募への参加資格は、法人または法人のグループ。グループで応募する場合は、グループ構成企業のうち1者を代表企業と定め、代表企業が認定計画提出者となる。また、グループ構成企業は、▽プロジェクトマネジメント担当企業▽設計業務担当企業▽建設業務担当企業▽公募対象公園施設(設置)担当企業▽公募対象公園施設(管理)担当企業▽指定管理業務担当企業―のいずれかの役割を担当するものとし、一つの構成企業が複数の役割を兼ねることも可とする。
実績や登録などの要件は、▽代表企業は公募対象公園施設(設置)と同程度以上の規模の民間施設または公共施設の開発のプロジェクトマネジメントの実績があること▽設計業務担当企業のうち少なくとも1者は1級建築士事務所の登録を行っていること▽建設業務担当企業は@建設業法の「土木一式」「建築一式」「造園」の許可を得ていること(建設業務担当企業のうち1者で全てを有しても、複数者で分担して有しても可)A少なくとも1者は長井海の手公園隣接地と同程度規模の都市公園その他の公園などの建設工事を元請けとして受注し、完了した実績を有すること▽少なくとも1者は横須賀市競争入札参加有資格者名簿で業種区分「工事」営業種目「土木一式」で登録されている市内事業者であること▽公募対象公園施設(設置)担当企業は類似の施設で同程度規模の民間施設または公共施設の運営実績を有すること▽公募対象公園施設(管理)担当企業は類似の施設で同程度規模の民間施設または公共施設の運営実績を有すること▽指定管理業務担当企業は長井海の手公園と同程度規模の都市公園の維持管理・運営業務実績を有すること―としている。グループで応募する場合、参加申請書類の提出以降は構成企業の変更を原則として認めない。代表企業の変更は一切認められない。
今後は8月20日まで公募説明会の参加申し込みを受け付け、27日と28日に公募説明会を開催。8月31日まで公募設置等指針などについての質疑を受け付ける。参加登録、競争的対話の申請書提出は10月5日から9日までとし、10月26日から30日まで「競争的対話」を実施。参加申請は11月27日まで受け付ける。資格審査の結果通知は12月10日、公募設置等計画などの提出は12月14日から17日までを予定。プレゼンテーションを2021年2月ごろに実施し、選定結果は決定後速やかに通知する。
事業は、長井海の手公園の未供用部6・6f(東側平坦地3・3f、南側崖地3・3f)の活用と、「Park―PFI+指定管理者制度」の導入による長井海の手公園の拡張と全体のリニューアル、さらには荒崎公園との連携による交流拠点としてのポテンシャルの最大化を図るもの。民間事業者のアイデアやノウハウといった企画力などを最大限発揮してもらうことで、従前の公園整備、管理運営にとどまらず、長井地区の交流拠点機能や観光交流機能を向上させる。
公募対象公園施設(設置)の設置可能建築面積は2万8132平方bから公募対象公園施設を除く公園施設の建築面積を引いた面積。必須施設は、飲食施設(カフェ・レストラン)、宿泊施設(高付加価値型、簡易滞在型)、キャンプ施設(炊事場等)、飲食機能、平日利用者や利用者層の拡大に寄与する施設(レジャー機能)、アミューズメント機能、集客機機能など。条件を満たしていれば、さまざまな公募対象施設(設置)を提案できる。飲食施設(カフェ・レストラン)は、300平方b程度のものを設置し、くつろぎながら眺望や飲食を楽しめる施設とし、既存レストラン(加工体験試食棟)との差別化を図り、地域の食材や食文化を高質な空間で楽しめる施設とすることとしている。
宿泊施設は、高付加価値型の宿泊施設と簡易滞在型の宿泊施設を設置し、高付加価値型の宿泊施設については、圧倒的な景観と他にはない体験を提供する施設とすること。簡易滞在型の宿泊施設については、コテージ等を設置することとし、20室程度を収容できる規模とするが、設置する簡易宿泊施設の棟数や配置については提案による。
横須賀市は、選定する事業者と21年3月に基本協定を結び、5月以降に▽DB対象施設設計建設請負契約の締結▽特定公園施設、DB対象施設の設計・建設▽公募対象公園施設などの設計―を予定。特定公園施設の完成は23年2月3日、公募対象公園施設などの工事は、22年4月の着工を予定している。
提供:建通新聞社