建通新聞社(東京)
2020/08/11
【東京】都 南多摩尾根幹線、湿地の南側案に決定
東京都都市整備局と建設局は、南多摩尾根幹線のうち連光寺・若葉台里山保全地域を通過するトンネル区間のルートについて、保全地域内にある湿地の南側にトンネルを整備するルート(B案)を採用することに決めた。今後、都市計画変更手続きと環境影響評価手続きを進め、2021年度の工事着手を目指す。
南多摩尾根幹線は、町田市小山町の町田街道交差部を起点に、多摩ニュータウン地区を東方向に進み、稲城市百村の鶴川街道との交差部に至る延長16・6`の都市計画道路。起点側と終点側で4車線による道路整備が完了しているが、残る区間は暫定2車線で、多摩市と稲城市の市境付近は未整備となっている。
このうち今回の事業区間は、稲城市百村(稲城福祉センター入口交差点)と多摩市聖ケ丘5丁目(多摩東公園交差点)を結ぶ「多摩都市計画道路3・1・6号南多摩尾根幹線(稲城市百村〜多摩市聖ケ丘五丁目間)」の部分。京王相模原線・若葉台駅の北側に位置し、多摩カントリークラブや稲城第3公園、若葉台公園などがあり、緑が豊かで起伏のある地形を東西に通過する。
保全地域に位置付けている連光寺・若葉台里山保全地など周辺環境への影響を極力抑えるため、トンネルを主体とした構造にする。既定の都市計画案がベースのA案と、トンネル区間をA案よりも南側に配置したB案の二つに絞り込んで特例環境配慮書を作成し、環境への影響や事業費などを比較検討していた。
その結果、A案は、保全地域の湿地の真下にトンネル構造が位置していることや、B案のほうが事業費を抑えられることなどから、湿地を避けたB案を採用することにした。
B案で整備した場合、事業予定区間の延長は約4・0`(既定の都市計画は約4・1`)。このうちトンネル区間は約2・4`で、平面部の幅員が58b、トンネル部が車道部幅員7・5b×2本。トンネル区間以外の標準区間の幅員は、36〜58b。JRの線路をオーバーパスする橋梁部が幅員50b。
工事は21年度に着手し、29年度の完成を計画している。
提供:建通新聞社