金沢市は今年度、中央卸売市場(西念4丁目)の再整備にかかる基本構想を委託する。事業者の選考に関しては、公募型プロポーザル方式を採用する方針だが、新型コロナウイルス感染予防のため、実施時期などを現在調整している。
市によると、プロポーザルでは全国からコンサルタント業者を募集することを想定。ただ、従来の選考過程においては、事務局に来て直接やり取りすることもあるため、新型ウイルス感染予防の観点から、人との接触を極力減らした代替の手続き方法を検討するとともに、全国の感染状況を見ながら実施時期を見極めている状況だ。
中央卸売市場の再整備は、卸売市場法の改正や施設の老朽化などに対応するため行う。公設花き地方卸売市場(二口町)を編入した上で、現在地で建て替える方針。市場の将来像は「金沢の豊かな食と文化を支える北陸のハブ拠点となる一体型総合市場」とし、10年後の青果および水産物、花きの取扱量は現状の各1割弱増を目標とする。
各施設の概算規模は取扱量減少を踏まえ、現状の2〜3割減を見込む。青果部が現状延べ1万4150平方メートルに対し8700平方メートル〜1万700平方メートル、水産物部が1万7303平方メートルに対し1万2200平方メートル〜1万3500平方メートル、花き部が同2447平方メートルに対し1700平方メートル〜1950平方メートルと推定する。
設備面では、品質や衛生管理の面から完全閉鎖型(コールドチェーン)、高床式の荷降ろし場などの導入を検討。金沢の食文化の発信や市場の市民理解につながる賑わい施設も設置したい考え。
当初予算には事業費2620万円を計上。基本構想には新たな市場の動線・配置計画や建て替えのローリング計画、概算事業費、整備スケジュールなどを盛り込む。市は構想の策定作業と並行し、PFI方式などの事業手法についても探っていく方針である。