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建通新聞社(東京)
2020/08/05

【東京】都内沿道建築物、耐震化率は86・3%に

 東京都都市整備局のまとめによると、特定緊急輸送道路沿道建築物の2020年6月末現在の耐震化率は86・3%だった。前回調査の19年12月からは0・4ポイント、前年同期比では2・0ポイント上昇した。今回の調査から新たな指標として導入した「総合到達率」は91・4%。特定緊急輸送道路の通行機能を示す指標で、35年度末に総合到達率100%達成を目指す。
 都内の特定緊急輸送道路沿道建築物1万8451棟のうち、新耐震基準で建てられた建物は1万3613棟、旧耐震基準の建物は4838棟ある。
 旧耐震基準の建物では、4733棟で耐震診断が完了した。このうち2310棟で改修などを実施し、耐震性が確保されている。一方、耐震診断をして耐震性の不足が判明したものの、耐震化が完了していない建物は2423棟に上る。
 この他、耐震診断をしていないため耐震性が不明な建築物は105棟残っている。
 都は今年3月に耐震改修促進計画を改定。特定緊急輸送道路沿道の新たな指標として、「区間到達率」と「総合到達率」を採用した。
 「区間到達率」は、都県境の入り口から、特定緊急輸送路道路のうち交差点などで区分した特定の部分にまで到達できる確率を示す。「総合到達率」は区間到達率の平均値。耐震化率に比べ、交通機能確保の効果を、より実効的に計れるようにした。
 6月末の総合到達率は91・4%で、19年12月末から0・3ポイント上昇した。25年度までに総合到達率99%を達成し、35年度末までに100%に引き上げる目標を設定している。
 これらの目標達成に向けて、20年度から新たな助成制度を開始した。特に倒壊の危険性が高いIs値0・3未満の建物を耐震化する場合、部分的な改修でも費用を助成する。また、占用者がいる建築を耐震化工事する場合は、移転費用などの追加費用を所有者が負担する必要があるため、占有者がいる建築物の耐震改修では助成額を加算する。

提供:建通新聞社