北陸地方整備局と富山県建設業協会との意見交換会が30日、富山県民会館で開かれた。頻発する自然災害について、協会の会員企業などが被災地の災害復旧活動を支援する姿を広く広報するため、「見える化」の体制構築に向け双方で検討することを確認した。
冒頭、岡村次郎北陸地方整備局長が「異常気象が毎年起こり、地域の守り手である皆様には尽力を頂いている。災害を未然に防ぐため、緊急3カ年計画がスタートしたが、引き続きやるべきことを訴えるため、支援を賜りたい」と述べ、「新型コロナで民間投資の冷え込みが予想され、公共事業の経済的な役割に期待が高まっている。人手不足で予算執行できないとの間違ったメッセージが伝わらないよう注意し、防災・減災、国土強靱化をしっかり進めたい」とあいさつ。また、「担い手確保へ新3K、週休2日、工期の平準化に取り組む。将来の建設業のため、コロナを契機とする非接触・リモート型の技術を駆使した取り組みも進める」と話した。
県建設業協会の竹内茂会長は、「3カ年緊急対策は今年が最終年度。発注された工事を着実に進める。次年度も予算が確保されるようお願いしたい」と求めた。
その後、整備局の企画部が20年度における予算概要や県内の事業内容、週休2日への取組計画、アイコンなど、建政部と営繕部がそれぞれの取組内容などを報告。
意見交換では、災害時における国交省のTEC―FORCE(緊急災害対策派遣隊)の支援状況が社会に認知されつつある中、地元建設業などの民間企業にスポットが当たらない現状を踏まえ、災害に立ち向かう姿を「見える化」できるよう、両者で議論していくことを申し合わせた。
協会から発注の平準化、発注ロットの拡大を求める要望があったほか、県内の一部自治体で増えている公共建築工事のPFI導入に関して、地方にとって良いことなのかと局側に見解を求め、岡村局長が「メリットだけでなく、デメリットもきちんと見極める必要がある」と答えた。