国土交通省木曽川上流河川事務所は、木曽川や長良川の水辺空間を地域の活性化などに利用する検討を日本工営名古屋支店(名古屋市中区)に委託した。河川利用を促進するため、今後の整備予定箇所や既存施設、また水辺空間と既存の観光資源との連携や利用方法などを、2021年2月26日までの履行期間でまとめる。
具体的には明らかにされていないが、県や市町村が複数の新たな水辺空間の整備を検討しており、認定や指定に向けた協議会の設立を予定している。
水辺利用を目的とした主な制度は、河川管理者や市町村によるハード整備までを支援する「かわまちづくり支援制度」と、企業や市民団体が営利活動を行うことができる「都市・地域再生等利用区域の指定」がある。
「かわまちづくり支援制度」では、河川と地域の観光資源を活用し、市町村や民間事業者、地元住民が連携する取り組みを河川管理者が主にハード整備で支援し、水辺空間を地域の活性化につなげることを目的にしている。
整備例としては、河川管理者がボートを下ろす坂路や緩傾斜堤防、親水護岸など。市町村が物販施設や休憩施設、駐車場や散策路など。民間事業者が施設の運営や管理などがある。
同制度では、岐阜県と愛知県の木曽川水系で9カ所の活用実績がある。国と市町村が5カ所、県と市町村が4カ所を事業主体となり整備した。国と美濃加茂市が事業主体のリバーポートパーク美濃加茂を核にした取り組みの「美濃加茂地区かわまちづくり」は、国土交通省の「かわまち大賞」を受賞している。
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建通新聞社