川崎市は、卸売市場の機能更新に向けて、2020年度に民間事業者を対象としたマーケットサウンディング調査を実施する方向で検討している。主な対象を北部市場とし、条件設定して対話型の調査を実施。全面建て替えや長寿命化など機能更新の手法を決定するため、事業の規模感などを把握したい考え。庁内の合意形成を行った上で、スケジュールなどを示した基本計画の取りまとめにつなげる。
川崎市は昨年6月、川崎市中央卸売市場北部市場と、地方卸売市場南部市場の今後の機能の在り方や、将来に向けた運営方針などを示した「川崎市卸売市場経営プラン改訂版」を策定。北部市場については、市場全体の機能の維持・更新に向け、民間活力の導入など最適な整備手法を検討するとし、大規模再整備を実施済みの南部市場でも今後は民間活力の導入による整備手法を検討する方針を示した。
今年度は「卸売市場機能更新に係る検討支援業務」を公募型企画提案(プロポーザル)により、地域計画建築研究所に委託。19年度に実施した検討成果を踏まえ、@必要な判断材料などの収集・作成Aマーケットサウンディング調査の実施支援B市場内事業者との意見交換の実施C庁内議論に向けた論点の整理・会議資料作成―などを実施してもらう。委託期間は21年2月26日まで。
具体的には、19年度の検討で候補として絞り込まれたいくつかの機能更新手法(余剰地の活用手法を含む)について実現可能性、財政負担軽減の可能性、周辺地域への影響などを精査し、比較検討資料を作成する。機能更新の検討支援では、マーケットサウンディング調査の実施支援、調査結果の分析も行う。また、市場の機能更新手法の決定に当たって、場内事業者との意見交換、合意形成、論点整理、会議資料作成などを支援してもらう。
川崎市の北部市場は1982年に開設されたもので、主な施設としては、青果棟、水産棟、花き棟、関連商品売り場棟、管理事務所棟、冷蔵庫棟などがある。延べ床面積は約6万4000平方b。所在地は宮前区水沢1ノ1ノ1。敷地面積は約16万8000平方b。
一方、南部市場は44年に開設され、2007年に地方卸売場に転換、コンパクト化された。主な施設としては青果卸売場棟、水産卸売場棟、花き卸売場棟、管理事務所棟、冷蔵庫などがある。延べ床面積は1万7000平方b。所在地は幸区南幸町3ノ126ノ1。敷地面積は3万2000平方b。
提供:建通新聞社