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北陸工業新聞社
2020/07/21

【富山】とやま新機軸/公共事業予算の安定的確保を/県建設業協会専務理事加藤昭悦氏/「新3Kで魅力ある職場に」

 6月30日に開催された富山県建設業協会定時総会後の理事会で、新たな専務理事に加藤昭悦氏が就いた。加藤氏に就任の抱負や地域建設業の使命、業界を取り巻く課題などを伺った。
◆就任の抱負をお聞かせ下さい。
 富山県建設業協会は歴史と伝統があり、専務理事は極めて重責。身の引き締まる思い。県庁で長く土木に携わり、協会員の方々とは面識がないわけではない。これまでに学んだことや会員の皆様に教えていただいたことを、微力ではあるが、恩返しする気持ちで誠心誠意取り組んでいきたい。
◆地域建設業の使命、役割など。
 地域の安全・安心のために必要な社会資本整備は、欠くことのできないもの。その整備を担うのが地元の建設企業。防災・減災、除雪など、「地域の守り手」としての大きな使命、役割がある。いざという時に駆け付ける地元企業がいないと大変なことになる。
 将来にわたってその役割を果たすには、日ごろから地域と交流があり、地元を熟知している建設業が、各エリアで健全に存続できる環境が大切。県下全体を網羅するためには、地域建設業の安定した経営、発展が重要。
◆建設業界を取り巻く課題とその解決に向けた取組みについて。
 課題は山積だが、まずは何と言っても予算の確保。国の「防災・減災、国土強靱化三カ年緊急対策」は今年度が最終。必要な公共事業予算を安定的・持続的に確保し、地域的に偏在がないよう予算配分してもらうため、今後も関係機関などに強く働き掛けていく。
 次は予算の執行。発注機関にそれぞれの地域、現場に合った積算をしていただくことが大事。発注の平準化については、繰越予算の活用で波が少しは小さくなったが、施工の平準化を含め、引き続き取組みを進めてもらいたい。
 最後は、若年者の担い手確保・育成と働き方改革の取組み。一朝一夕には難しいが、各企業において、新3K(給料・休日・希望)に対応した魅力のある職場にすることが大切。週休二日制と長時間労働の是正をセットで取り組まないと将来の入職、若手の定着にはつながらない。
 建設業の仕事は一品一品が現場生産。ロボットではできない。人が必要であり、工場などと比べ、働き方改革への取組みは簡単ではない。国や県の助成制度を紹介するほか、関係機関との意思疎通を図り、会員企業が取組みやすいよう後押しをしたい。引き続き、高校生に対する出前講座やその保護者との懇談会も開き、建設業の魅力をPRするとともに、離職防止へ資格取得の支援講座を実施し、担い手育成に努めたい。
 かとう・しょうえつ 56年9月生まれ。63歳。早稲田大理工学部土木工学科卒。80年の県庁入庁から本庁の土木部一筋。道路畑が長く、新幹線・駅周辺整備、道路、建設技術企画課の各課長、土木部参事、土木部次長を経て、16年4月から18年3月まで土木部長を務め退職。県建設技術センター副理事長から、4月に県建設業協会参事。モットーは「一期一会」。出会いを大事に、感謝の気持ちを忘れないよう心掛けているそうだ。南砺市(福光町)在住。

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