香川県建設業協会(森田紘一会長)と国土交通省四国地方整備局は7月7日、高松市内で意見交換会を開き、防災・減災、国土強靱(きょうじん)化について、南海トラフ巨大地震への備えなど重点的な予算配分と継続的な取り組みが不可欠との認識で一致した。同局側は、必要な予算確保のためには「建設業界はもちろん、経済界も巻き込んで地域の実情や要望を伝えてほしい」と述べ、地域の課題・ニーズが中央に届くよう積極的な情報発信を呼び掛けた。
協会側はまず、20年度に終了する「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」について触れ、近年の大規模自然災害の発生状況や厳しい景気動向を踏まえ、引き続き着実に予算を確保し、対策を充実する必要があると強調。コロナウイルス感染症対策で国や自治体の予算がひっ迫し、公共事業予算が削減されることに危機感を表明した。
これに対し同局は、「引き続き重点的な予算配分が必要だと認識している」と理解を示すとともに、地域の声を積極的に発信することが必要だと述べた。
次に協会側は、香川県内での直轄事業量が他の3県に比べて大幅に少ないと指摘。直轄工事の適正な実施を求めた。
同局側は、一部区間の供用時期を公表した国道11号の4車線化(豊中・観音寺拡幅、大内白鳥バイパス)などを着実に推進しつつ、新たな地域高規格道路「高松市寿町〜高松市檀紙町」の計画段階評価に向けた調査・検討を始める考えを示した。
協会側はまた、担い手確保と働き方改革の推進に向け、週休2日制の補正係数の引き上げや書類の簡素化を要望した。
同局は労務単価の改善や週休2日の補正係数の引き上げに関し、「まずは実態の把握を行うことが重要」とし、確実・適切な調査への協力を求めた。書類の簡素化では「20年度は原則、全ての工事に工事検査書類限定型モデル工事を適用する」との意向を示した。
キャリアアップシステムについては、森田会長が「技能労働者の実情や建設業界の現状、そして費用対効果を考えると、(現状では)大きなメリットがあるとは思えない。もろ手を挙げて賛同できる状況にない」と意見を述べた。同局は「制度のメリットを説明しきれていない部分もある。丁寧に説明していきたい」と答え理解を求めた。
提供:建通新聞社