建設労働者全ての安全と健康の施策を推進する協議会(事務局・県土総務課)が16日、立ち上がった。国と県、市町村、各業界団体で構成され、官民発注工事を問わず安全衛生経費を確保し、労災の撲滅や「働き方改革」による担い手の育成を推進。また、労働安全衛生法の保護対象外となる「一人親方問題」にも対処する。
県は今年5月、国の改正建設職人基本法(職人法)に基づき「建設工事従事者の安全・健康の確保に関する県計画」を策定。計画期間は24年度まで5年間で▼労災の撲滅▼一人親方の安全確保▼担い手確保―各目標の達成に向けてあらゆる施策を盛り込んだ。
初会合では、労災撲滅のため協議会内でメーリングリストを作成し、安全衛生に関する情報を適期共有することを確認。「一人親方問題」では一人親方の数など実態を把握することが困難なことから、協議会構成員が知り得る範囲内で各施策を周知するよう努める。
また、担い手確保の目標「技能労働者数の現状維持」に向け、安全衛生費が下請けまで行き渡るよう経費の流れを県がチェックする取り組みに説明があった。
メンバーの県管工事業協会の荒川恵会長は「賃金アップがないと入職者は増えない」と建設業の現状を指摘。県電業協会の岡本安量会長は「工期設定の是正を」と発注者に求め、また、県造園建設業協会の西谷勝之会長は「規則に合った墜落防止作業の検討委員会を協会内に設置した」と報告した。
協議会会長の山本雅美県土整備部次長は「実効性ある計画を着実に進めるとともに、安全に対する取り組みを県民にアピールし、入職者の増加につなげたい」と話した。
日刊建設工業新聞