東日本建設業保証富山支店は16日、20年度第1回「建設業景況調査」をまとめた。
四半期ごとに集計しているもの。調査企業は新川、富山、高岡、砺波の各地区から業種や完工高、資本金のバランスを踏まえ抽出。項目ごとに4月から6月の今期実績(第1四半期)、7月から9月の来期見通しを算出した。回答は64社。
項目別の数値を見ると、「業況等」の地元建設業界の景気は今期、悪い傾向がさらに強まった。景気が前期比で悪化したと回答する比率が上回るのは、19年度第1四半期以降、4期連続。来期は、悪い傾向がより一層強まる見通しだ。
今期の「受注総額」は、減少傾向が強まった。官公庁工事、民間工事ともに減少幅はほぼ同様だが、民間は、減少傾向と回答する比率が圧倒的な状況。来期の受注総額は、減少傾向が著しく強まる見込みで、特に官公庁工事が顕著に減少する見通しだ。
「資金繰り」は今期、容易な傾向が弱まった。来期は、容易な傾向から厳しい傾向に転じるもよう。
今期の「金融」は、銀行等貸出傾向で容易な傾向が続いており、短期借入金は、増加傾向が一挙に減少傾向へと転じた。短期借入金利は、下降傾向がやや強まった。来期の銀行等貸出傾向は、容易な傾向が若干弱まる見通しで、短期借入金は、減少傾向が相当弱まる方向だ。
「資材」関連は今期、資材の調達で基調は変わらなかったが、資材価格は上昇傾向がかなり強まった。来期は、今期と概ね同様の傾向が続くもよう。
今期の「労務」は、建設労働者の確保で困難な傾向が弱まった一方、賃金は上昇傾向が顕著に強まった。来期は、賃金で上昇傾向が相当弱まる見通し。
今期の「収益」は、減少傾向が続いている。減少の理由では、『完成工事高の減少』が最多で『人件費の上昇』が続いた。来期の収益は、減少傾向が顕著に強まる見込み。
今期の経営上の問題点は『人手不足』が依然トップ。以下、『受注の減少』、『従業員の高齢化』、『競争激化』、『下請の確保難』の順。