滋賀県は、計画推進している「国道307号補助道路整備事業」について、6月補正で7億6819万2000円の事業予算を債務負担行為にて確保した。
▽長野工区が長大法面の大規模工事となる▽斧磨工区が田畑部と隣接する工事であり農繁期を回避して工事を進める▽多賀SIC工区で事業効果の早期発現や業務の平準化を推進する―等の理由で実施について年度を跨いだ期間設定が必要であることから、各事業費の確保を行い更なる事業推進を図るために債務負担行為を実施する。
予算の多くを占める長野工区の内容を見ると、今回確保した予算を活用して国道307号長野バイパス整備事業として9月頃に護岸及び地盤改良工事を12月頃に愛宕山の切土・盛土工等を行う山切り工事をそれぞれ発注する考えだ。護岸工及び地盤改良工事の発注方式は、事後審査型1般競争入札で、工期は12ヵ月程度を見込んでいる。主な工事内容は、延長160bの護岸にブロック積み工と地盤セメント改良を施す。
山切り工事の発注方式は総合評価方式を採用し、工期は18ヵ月程度を見込んでいる。主な工事内容は、愛宕山に約3万立方bの掘削工を行い、そこから排出された土で盛土工を行うことや、4000平方b程度の簡易吹付工、130bの補修路壁工を実施する。
その後については、今年3月に福井鐵工(福井県福井市)が3億7630万円で落札した橋梁上部工工事(橋梁形式=鋼製単純非合成箱桁橋、施工延長58・2b)が、21年8月31日の完成を目指し工事を進めていることから、完了後、先線工事として計画している5号橋の橋台工事にスムーズに取り掛かれるよう手続きを進めていく考え。その他の各種工事は、現在取り掛かっている大戸川右岸側の用地買収を進めながら、進捗状況を見て施工可能な場所から予算措置を図っていく方針。
国道307号長野バイパス(甲賀市信楽町牧・勅旨字界付近〜同町柞原)は、新名神高速道路信楽インターチェンジのアクセス道路整備として、また、渋滞緩和や地場産業の発展、地域活性化と災害時等有事の際の幹線道路確保のためとして、4年度に国庫補助事業(道路改築)の事業認可を取得。新名神信楽インターチェンジの接続箇所付近から牧・勅旨の字界付近まで、国直轄事業で整備(現道拡幅4車線化)が行なわれている「国道307号信楽道路」(延長2・9q)の先線となるもので、車道2車線のバイパスを建設する。
牧・勅旨の字界付近で現道を離れ、西側の山中に入り、勅旨字沢出で現道と立体交差(接続無し)。東へ廻り信楽高原鉄道信楽駅前(同町長野)で県道信楽停車場線と平面交差後、大戸川沿いを南に進み、神山地先で国道422号に接続。再び山中に入り、県道信楽上野線と平面交差(同町江田)後、柞原地先で現道に戻る計画だ。幅員は、山地部では歩道の無い9b、平地部では両側歩道の15bを基準とする。信楽高原鐵道勅旨駅北西の丘陵地では、延長約800bのトンネルが計画されている。
提供:滋賀産業新聞