厚生労働省香川労働局がまとめた5月の香川県内雇用情勢によると、新規求人はサービス業や宿泊業、飲食サービス業などほとんどの業種が前年同月を大幅に下回ったため全産業で33・0%の大幅減となり、いわゆるリーマンショック時の31・7%減を上回って平成以降最大となった。一方、建設業は県外に就労現場を持つ事業所から大量の求人提出があり、求人更新時期のずれもあったため2カ月ぶりに増加。8・3%増の847人となり、雇用を下支えしている。全産業の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0・17ポイント減の1・42倍、正社員有効求人倍率は0・08ポイント減の1・12倍だった。
パートを含む新規求人数は前年同月比33・0%減の6197人で5カ月連続、新規求職者数は18・8%減の3176人で8カ月連続の減少となった。ただ、有効求人倍率、正社員の有効求人倍率は引き続き全国平均(1・20倍と0・84倍)を上回り、それぞれ全国で6番目と3番目の水準を維持。2011年8月以降、106カ月連続で1倍台を保っている。一方、求人そのものは減少しており、今後も新型コロナウイルス感染症の影響が懸念されるため、雇用情勢判断について同局では「雇用に与える影響に十分注意する必要がある」として2カ月ぶりに下方修正した。
職業別常用有効求人倍率で見ると、建設・採掘は前年同月(7・51倍)と横ばいの7・50倍となり、依然として人手不足傾向が続いている。
また、事業主都合による解雇者数は前年同月比26・8%増の322人と7カ月連続で増加した。このうち建設業は66・7%減の7人で、3カ月連続で減少した。
提供:建通新聞社