坂出市は、坂出港の物流機能強化に向けた基盤整備の調査に着手する。協和化学工業(坂出市)が港湾用地を整備し物流施設を建築することに併せ、坂出港と関東方面を結ぶRORO船(貨物を積載したトレーラー車両などをそのまま運ぶことができる貨物船)の航路を開設するため、港湾管理者である市が、岸壁などの港湾施設や港湾関連道路を整備する。
新たに基盤整備を行うのは、坂出港の阿河浜地区。麦や完成自動車、セメント、LPGを扱う水深7・5b延長130bの公共岸壁を配置している。
RORO船を接岸させるため、既存の港湾関連用地や埠頭(ふとう)用地の東側を埋め立て、埠頭・港湾関連用地約1万9000平方bを創出する。これに伴い、既存の岸壁を東方向に40b延伸するとともに、その南側に水深4・5b延長90bの岸壁を建設することで、2バースの岸壁を配置した泊地を整備する。併せて岸壁と既存の臨港道路を結ぶ延長650b程度の港湾道路を新設する。
市は事業実施に先立ち、基本設計を含めた整備計画策定業務を11月までに委託する。この中で、岸壁や埠頭用地、港湾道路の構造や規模などの大まかな事業内容を固める。事業費(実施計画額策定費)として2000万円を見込んでいる。
坂出市では2019年8月に「坂出ニューポートプラン」を策定し、官民が連携して坂出港の機能強化の具体化に向けて取り組んでいる。この過程で、協和化学工業が、所有している16万平方bの土地(シーサイドゴルフパーク坂出跡地)を物流施設建設のために整備していたことから、同社と市が連携して事業を進めるよう個別協議を実施してきた。
提供:建通新聞社