滋賀県病院事業庁は、設計業務を内藤建築事務所(京都市左京区)で行っている「小児保健医療センター整備事業」について、当初は別棟で予定していた「小児保健医療センター」と「小児保健医療センター療育部」を一つの建屋として建設。またその構造についても免震構造から、災害拠点病院に相当する「T類」の規定を満たす耐震構造とすることで準備を進めている。建設に係るタイムスケジュールは、設計までを来年(令和3年)3月までにまとめ、同年10月の着工、24年(令和6年)1月の開院を目指す。
小児保健医療センターは現在まで、小児の難治性疾患の中心的な専門機関として役割を担ってきたが、開設から30年以上が経ち、施設の狭隘化の問題、そして、小児期の疾患を抱えたまま成人する患者への対応が必要になってきたことなどから機能再構築を伴う改修案が浮上。これまでにアイテック(東京都中央区)において、将来を見据えた医療を提供する観点から成る基本計画を策定。その後、設計に入っている。
計画によると、新センターの規模は地上4階・地下1階建(耐震構造によるRC造またはSRC造)、延1万3000平方b。病床数は現在の100床を維持。歯科口腔外科、内分泌、代謝科などを新設・常勤化し、現在の9診療科から12科に拡充。高度治療室8床を新設するほか、感染対策用病室なども整備。センター1階部分には療育部(定員30人)、放射線、臨床検査、2階には病棟、HCU(高度治療室)、3階にはリハビリテーション、厨房、4階には手術室などの機能を配置する。養護学校については別棟の平屋で、渡り廊下で通学し独立した学習環境を確保する。
また療育部は、当初はRC造平屋建、2900平方bとしていたが現在はこれをセンター内に収容して一つの建物となるよう設計中。さらに守山養護学校は、RC造平屋建、2000平方b。これについてはセンターと別棟として渡り廊下でつなぐ形とする。
当初予定の事業費は、小児保健医療センターが84億円。療育部が13億4000万円。守山養護学校が9億2000万円―これらに他の整備を加えた概算総事業費は126億6000万円―。
提供:滋賀産業新聞