オフィス仲介大手の三幸エステート(東京都中央区)の調査から、名古屋市の賃貸オフィス空室率が3カ月連続で上昇したことが分かった。低下傾向にあった空室率は、3月度に統計開始以来の最低値を更新したものの、上昇局面に移る気配が出てきた。ただ、上昇幅は小幅。募集賃料は3カ月連続で上昇している。需給バランスは引き締まった状態が続いており、現状は景気の不透明感を受けた様子見局面といえそうだ。
2020年6月度の空室率は、前月から0・11ポイント増の2・94%。規模別では、1フロア200坪以上の大規模ビルが前月から0・2ポイント増の1・4%。大型ビル(100坪以上200坪未満)は、0・1ポイント減の2・8%となった。中型ビル(50坪以上100坪未満)は、前月から変わらず4・7%となっている。
主要エリア別の空室率は、名駅エリアが前月から0・3ポイント増の2・3%。栄エリアも前月と同じ2・3%。伏見エリアは0・1ポイント上昇し、1・4%となっている。
1坪当たりの募集賃料は、前月から240円増の1万1441円となった。
同社は「緊急事態宣言によりペースダウンしていた契約手続きなどが再開され、リーシング活動は徐々に元に戻りつつある」とする一方、「景気の不透明感から移転計画を保留する事例も散見される。比較的小口の面積帯では解約や縮小の事例が増えている」としている。
提供:建通新聞社