100を超える農業用ため池を有する東近江市は、18年(平成30年)7月豪雨において全国で多くのため池が被災したことを受け実施された緊急点検で、重要水防ため池(堤防が決壊すれば人家、公共施設等に被害を及ぼす可能性があるため池)に指定された市内26のため池の内、既に改修等対応済み又は新基準制定以降に整備された13池を除く13のため池について、対策を進めている。
昨年度、既に利用されていない1池「新溜」(土器町地先)については廃池に向けた測量設計業務(担当=キタイ設計)を発注したほか、残り12池のうち5池の耐震詳細照査業務を、〔その1〕で2池(担当=キタイ設計)、〔その2〕で2池(担当=キタイ設計)、〔その3〕で1池(担当=基礎地盤コンサルタンツ滋賀事務所)に分け、それぞれ実施。
今年度に、新溜(土器町、堤高5・4b、堤長80b、有効貯水量1万0800立方b、築堤年次は不明で江戸時代以前から存在と伝えられている)の廃池工事(堤体を開削し、既設排水路に接続する導水路を整備する)と、耐震詳細照査業務を残り7池で実施。21年度(令和3年度)以降、照査業務の結果を取りまとめ、優先度の高い池から順次、国の補助金を活用しながら、改修工事を進めていく考え。
2ヵ年で行なう耐震詳細照査業務の対象となっているため池は、次の通り。(▼は19年度、▽は20年度実施)▼坂下溜(土器町)▼谷堤溜(土器町)▼庚申溜(土器町)▼布施溜(布施町)▼八楽溜(大沢町)▽岡本中溜▽郷溜▽明正溜▽沢溜▽砂原溜▽中溜(平尾町)▽新溜(布施町)―以上12池。
今年度実施ため池の内、4池は6月24日に開札した指名競争入札で、その1で▽岡本中溜▽沢溜の2池を鞄本インシーク滋賀営業所、その2で▽新溜▽砂原溜の2池を玉野総合コンサルタント且賀事務所にそれぞれ発注。残り3池は、新溜(土器町)の廃池工事とともに、秋に発注する予定だ。
耐震詳細照査業務の今年度発注済み4池の概要は次の通り。(@堤高A堤頂長B築年代C改修年代D総貯水量
▽岡本中溜(蒲生岡本町地先)=@3・5bA81bB明治時代C〜1972年D3000立方b
▽沢溜(川合町地先)=@3bA350bB明治時代C1984年以降D2万立方b
▽新溜(布施町地先)=@5bA150bB江戸時代以前C改修履歴無D3万9000立方b
▽砂原溜(稲垂町地先)=@4・5bA211bB明治時代C1984年以降D6000立方b
提供:滋賀産業新聞