東京都が2019年度に発注した予定価格250万円超の工事5320件(競争入札案件)の契約状況がまとまった。平均落札率は92・82%で、18年度と比べて0・07ポイント下落した。不調発生率は2・50ポイント増の17・67%となった。都が契約状況の公表を始めた14年度からの推移を見ると、落札率は91〜92%台でほぼ横ばいに推移しているものの、不調発生率は増加傾向にある。
財務局や建設局などを含めた知事部局の契約案件は平均落札率が92・59%(18年度比0・23ポイント減)、不調発生率が18・50%(1・60ポイント増)。交通局と上・下水道局で構成する公営企業は、落札率93・22%(0・21ポイント増)、不調発生率16・12%(4・42ポイント増)だった。
低入札価格調査の適用対象となる案件は1185件。このうち17・38%(2・12ポイント増)に当たる206件で、調査基準価格を下回り、調査を実施した。工種別に見ると建築が29件、土木が97件、道路舗装が19件、設備が61件で調査を実施している。
また、くじ引きの対象となったのは474件。このうち259件が土木、207件が設備で大半を占めた。
都は、中小企業の積算負担の増大や各局案件での不調の多発などを踏まえ、18年度に入札契約制度改革を本格実施。18年6月25日以降に公告した案件から適用している。予定価格は事後公表を原則としつつ、予定価格が一定規模を下回る案件(建築4・4億円未満、土木3・5億円未満、設備2・5億円未満)は事前公表にした。
低入札価格調査制度は、一定規模以上(予定価格が建築4・4億円以上、土木3・5億円以上、設備2・5億円以上)の案件に適用。これを下回る工事には最低制限価格を設けている。
提供:建通新聞社