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北海道建設新聞社
2020/07/06

【北海道】工期確保にコロナの影響 道内小中校の施設大規模改造

 新型コロナウイルス感染症の拡大で、道内の小中学校施設の大規模改造工事に影響が出ている。夏休み期間の短縮により外壁改修などで窓を閉め切った作業ができず、十分な工期が確保できないことから、江別市や函館市は発注時期を延期した。その他の市町村でも児童や生徒の授業時間確保と熱中症対策を講じるため、工事の発注時期見直しや工期の延長を視野に検討を進めている。

 新型コロナウイルス感染症の影響で道内の学校施設は2月下旬から臨時休校し、6月上旬に再開した。休校で減った授業時間は夏休みを短縮して取り戻す対策を講じるが、学校施設の大規模改造工事は窓を閉め切って作業をするため、生徒がいない夏休み期間に実施するケースが多い。

 本年度に大規模改造を進める大半の市町村は、一部夏休みなどを利用しながら、普段は対象の普通教室から児童・生徒を一時的に空き教室や多目的教室に移動させ、授業や感染防止に支障が生じないよう対策を取るもようだ。

 一方、江別市は、6月4日に予定していた中学校外壁改修工事3件の入札を中止し、全て2021年度に延期することを決めた。3件とも7月下旬から8月下旬までの工期を見込んでいたが、夏休みが短縮されることから延期となった。

 函館市の中部小耐震改修、外壁・屋根改修は当初、6月の入札を予定していたが、新型コロナウイルス感染症対策として換気設備を新たに設計に盛り込んだため、入札を7月に変更した。完成は当初の計画通り21年3月末で間に合う見通しだ。

 また、留萌市では6月23日に留萌中大規模改修を発注した。市は施工者や学校関係者と打ち合わせ、外壁改修の進め方を検討するとしている。市教育委員会は内部改修について、「トイレなどの設備の納入が遅れると、最悪の場合、翌年度に繰り越す可能性がある」と工期の延長を懸念している。

 5月25日に国の緊急事態宣言が全面解除された。しかし、依然として収束が見通せない中、再び感染が急拡大すれば、市町村が今後発注する工事や施工中の現場で工期延長や発注時期を見直す可能性があり、予断を許さない状況が続いている。