羽咋市は、JR羽咋駅前の旧商業施設「マルシェ」跡地で計画する官民連携による「駅周辺賑わい交流拠点施設(仮称)」について、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済状況の悪化を考慮し、交流機能を第1期として先行整備し、商業機能を第2期と位置付ける事業スキームを検討している。分棟も想定し、サウンディング型市場調査(官民対話)を経て9月をめどに事業手法を決定したい考えだ。
市は7日まで、「いしかわPPP/PFI地域プラットフォーム」の参加事業者や対象用地に関心のある法人らを対象に官民対話に向けた予備調査を実施し、回答はメールで受け付ける。今月中旬以降に2回目となる官民対話に参加する事業者を募集し、対話は今月下旬から8月下旬にかけて開催する予定。昨年11月に行った官民対話では7法人が事業参画に関心を示していた。
予備調査では▽事業への参画を検討しているか▽交流機能と商業機能の整備・運営事業を同時に行うか分けるか▽分棟または合築で整備するか▽DBO(設計・施工・運営一括発注)、DO+B(設計付き指定管理、工事別途発注)、PFI(事業者が公有地を賃借して施設を整備・運営)などの事業手法で最も適しているのはどれか―といった設問を設けている。
市は3月、地域活性化を図るため、マルシェ跡地での交流拠点施設、都市計画道路川原町線整備(延長140メートル)、長者川改修(県施行)の3本柱からなる羽咋駅周辺整備基本計画を策定した。
交流拠点は、交流、広場、商業の3機能を集約し、施設には屋内公園や絵本コーナー、図書カフェ、eスポーツ、料理教室、ダンス・エクササイズ、都市型スポーツ、軽食カフェ、生活日用品店などの導入を想定している。民間部分を除いた公共部分の事業費は約11億5000万円を見込んでいる。
敷地面積は約6500平方メートルで、エントランス、広場、施設、駐車場の4ゾーンに分ける。
今年度はマルシェ解体や、川原町線の予備設計に着手しており、県でも長者川の線形を検討している。交流拠点施設のオープン時期については、事業手法により差があるものの、遅くとも24年度を目標にしている。