――エイジフレンドリー職場へ! みんなで改善 リスクの低減――をスローガンとする「第93回全国安全週間」が1日、全国各地で一斉に始まった。建設業労働災害防止協会千葉県支部(前田泰弘支部長)は長年にわたり、重篤な労働災害の撲滅、特に死亡災害の撲滅を目指して活動を続けている。昨年の県内建設業における死亡災害は12人で、過去最少の前年より2件増加。建災防千葉県支部では、本年もさらなる「年間最少記録」と同時に、念願の「年間一桁」の実現に向けて、県内建設業界が一丸となり、ゴールめがけて驀進する。
再び「減少傾向」へ
第93回目の「全国安全週間」を迎えて、建災防千葉県支部の前田支部長は、支部としての労働災害の「現状認識」と「今後の取り組み」に加え、ここ3年間の千葉県内建設業における死亡災害の特徴についてまとめた。
過去3年53%が「墜落・転落災害」
第1点は、墜落転落災害をはじめとする「三大災害関係の多発」。過去3年の総数32件のうち、17件(53・1%)が墜落・転落災害で占められ、建設機械関係7件(21・9%)、熱中症3件(9・4%)と続く。これらについて前田支部長は「数字の上でも、三大災害対策の重要性が裏付けられる」とし「特に墜落・転落災害が多い」と指摘した。
非会員が69%
第2点として「死亡災害に占める非会員事業場の割合が依然として高率」なこと。同じく、ここ3年間32人のうち、22人(68・8%)が、元請・下請を含めた「非会員事業場で占められる」ことについて、「非会員事業場の安全衛生水準が一概に低いと断定はできないが」と前置きしたうえで「今後、県内建設業での重篤な労働災害防止を推進するには、非会員事業場の解消が急務である」と強調。今年度も、重篤な災害が発生した非会員事業場については、支部と各分会が連携し、行政等関係者の協力を得て、加入促進に取り組む方針を示した。
施工計画作成時のリスクアセス充実
第3点としては「改修・更新・解体」の改修等工事における死亡災害が、同じくここ3年間に15件(46・9%)が発生していること。改修等工事は、施工に係る制約が多く、技術的にも難易度が高いことから「施工計画作成時におけるリスクアセスメントの充実を図る必要がある」と指摘。
また、建設業以外では定常時の災害が大きく減少し、非定常時での災害が多発しているとされることには「元々建設業では、非定常作業の比重が高く、とりわけ改修等工事は、非定常作業の比重が高い傾向にある」と分析。
総じて「これら3点の傾向を踏まえ、安全対策の充実を図る必要がある」とした前田支部長は、「全国安全週間中に、労働災害防止計画に示された実施事項とともに、県内建設業における死亡災害の特徴を再確認し、それぞれの立場で責任を持って取り組むことにより、実りある安全週間にしたい」との決意を込めた。