建設新聞社
2020/06/30
【東北・青森】東北整備局が青森港の洋上風力拠点化を調査
東北整備局青森港湾事務所は29日、「青森港洋上風力拠点整備検討業務」を委託するため、簡易公募型プロポーザルによる選定手続きを開始した。
参加表明書は7月9日まで、技術提案書は同29日まで受け付ける。特定通知は8月26日を予定している。参考業務規模は2000万円程度(税込み)。
参加資格は、港湾空港関係の建設コンサルタント等A等級である単体かJV。
この業務は、青森県内で民間事業者による洋上風力発電事業が複数計画され、海外から輸入される風車の組み立てやSEP船による積み出しなど、作業に当たる拠点港湾が求められるため、必要な施設の検討に取り組むもの。
業務内容は、ヒアリング調査、需要の推計、港湾施設配置計画の検討、港湾施設の構造検討、費用対効果分析の検討など。検討対象箇所は、中央埠頭より西側の油川地区を想定している。履行期限は2021年3月15日まで。
提案を求めるテーマは▽港湾取扱貨物量の需要を推計する上での具体的な着眼点▽既存施設を活用した港湾施設の構造形式を比較検討する上での具体的な着眼点−。
東北における洋上風力発電をめぐっては、秋田県の能代市・三種町・男鹿市沖、秋田県の由利本荘市沖(北側・南側)が、昨年7月に再エネ海域利用法に基づいて開発を先行的に進める「有望な区域」に指定され、今月には「促進区域」とする案の公告・縦覧手続き中。「促進区域」に指定後は民間事業者が最大30年間一般海域を占有しての発電が認められることとなる。東北整備局は現在、秋田港で従来の約10倍の地耐力を持つ強化岸壁を建設しているほか、能代港にも同様の施設整備を計画している。
青森県も、近く公表される第2弾の「有望な区域」に、同県日本海の北側と南側、陸奥湾の3区域が指定されるよう、国に情報提供するなど働き掛けを行っている。青森港も区域指定を受けた場合、拠点港湾としての強化岸壁の整備などが必要になる公算が高いことから、検討に着手する。
提供:建設新聞社