香川県は大規模な土砂災害・水害の発生に備え、土砂災害防止法に基づく2巡目の基礎調査に着手する方針を固めた。公共事業の対策完了箇所や民間開発などで地形改変が生じた箇所の見直しに伴う調査と、地図精度の向上による新規箇所を対象に調査を実施し、その結果を市町への意見聴取前に公表する考えだ。今後、候補とする箇所の中から調査個所を絞り込む。
県では土砂災害防止法に基づき、がけ崩れや土石流など土砂災害発生の恐れがある危険個所を対象に2005〜15年に基礎調査を実施。その結果を踏まえ、約8000カ所を土砂災害警戒区域、このうち約6600カ所を特別警戒区域に指定している。
その後、公共事業により対策が完了した箇所、民間開発などで地形改変のあった箇所が発生したことから、これらの見直しを行うための調査を行う。また、地図精度が向上していることを踏まえ、国からの通知を参考に、より詳細な地形データを活用して新たな危険箇所を抽出し調査に着手する。今後、候補箇所の中から調査を実施する箇所を絞り込み、業務を委託する。危険な箇所をできるだけ早く関係市町や住民に知らせるため、市町への意見聴取前に調査結果を公表する。
調査結果を基に、土砂災害を防ぐソフト面の取り組みとして、警戒区域で避難体制の確立を促すとともに、特別警戒区域で特定の開発行為や建築物の構造を規制する。
6月18日に県庁内で開いた「香川県大規模氾濫等減災協議会」に基本的な考えを示した。
協議会の開催に当たってあいさつした西川英吉土木部長は「気候変動の影響により近年は水害が激甚化・多発化する傾向にあり、全国どこで発生してもおかしくない。河川整備が完了している区間でも被害の発生する恐れがあり、氾濫が発生する前提の下でハード・ソフト両面の取り組みを総合的に進める必要がある」と述べた。
提供:建通新聞社