24日に開かれた石川県議会予算委員会で、土砂災害対策などに関する質問に対し、谷本正憲知事らが答弁した。
城ヶ崎正人土木部長は県内において、人家5戸以上に土砂災害の被害が及ぶ2627カ所を重点個所と位置付け、要配慮者利用施設などが立地する個所や、近年災害が発生した個所などを優先的に整備しているとした上で、「昨年度末までに823カ所が完成し、重点個所の整備率は31・3%となった。今年度は16カ所で新規着手し、現在87カ所で事業を実施している」と述べた。
防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策における砂防堰堤などの整備に関して、城ヶ崎部長は「3か年緊急対策を最大限に活用し、対策の緊急性が高い34カ所で集中的に砂防堰堤などの整備を進め、これまでに9カ所で事業が完了。今年度は25カ所で整備を進める」と説明。谷本正憲知事は「34カ所の整備を加速し、今年度末までに14カ所を前倒して完成させるとともに、砂防堰堤の堆積土砂除去も対策が必要な53カ所すべて、来年の出水期までに完了させる」と語った。
防災重点農業用ため池について、安田秀樹農林水産部長は「県内には1286カ所あり、毎年、市町と連携して点検調査し、漏水等が確認された場合、順次改修。昨年度末までに332カ所を終え、今年度は23カ所の改修を行う」とした。谷本知事は先の国会で防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法が議員立法により成立したことに対し「ため池の防災工事を計画的に推進する仕組みが整った」と述べ、国の予算充実に期待を寄せた。