名古屋港管理組合は、ポートアイランドの利活用に向けて、2020年度内に港湾管理者の立場からみた「ポートアイランドの在り方」をまとめる方針だ。21年度以降は、同組合がまとめた在り方をたたき台として、港湾利用者や周辺自治体との議論を開始したいとしている。中期経営計画の終了年度となる23年度を目標に、ポートアイランドの利活用や在り方について関係者との合意を得るのが目標だ。合意を得た後は、次期長期構想や次期港湾計画に位置付けていく見込み。
ポートアイランドは、名古屋港の南端に位置している。面積は257f。名古屋港の浚渫土砂処分場として1975年に利用を開始した。
港湾管理者としてポートアイランドの在り方を整理するため、基礎調査を2019年度に開始。19年度調査では、名古屋港の現況や課題などを整理した。港の施設を全体としてみると、施設の老朽化といった課題が生じているとともに、施設の再編が必要などの課題を認識していると説明する。20年度は現況や課題を踏まえて、ポートアイランドの必要性や効果、どう利用するかなどの検討を深めたいとした。20年度の検討調査業務は、日建設計シビル名古屋事務所(名古屋市中区)が担当する。納期は21年3月19日。本年度内に取りまとめるポートアイランドの在り方の公表方法は今後考える。
同組合の政策の基本となる、現在の長期構想「名古屋港の針路」は07年に策定。おおむね20年先となる27年ごろを目標年次に設定している。また、現港湾計画は15年に策定。改定周期は10〜15年で、次期改訂を単純に当てはめると25〜30年までが改訂期になる。
ポートアイランドの利活用について関係者の合意が得られると、まずは長期構想に位置付け、その後港湾計画に反映させていく見込みだ。
今回の在り方検討では、ポートアイランドへのアクセス方法は検討しない。現在の港湾計画には、ポートアイランド地区と港湾地区を横断する将来構想道路の記載がある。
提供:建通新聞社