国土交通省関東地方整備局がまとめた関東甲信地域のICT活用工事発注計画(6月25日公表)によると、2019年度に神奈川県内の対象案件でICT施工に適用されたのは県工事9件、直轄工事6件の合計15件。内訳はICT土工14件、ICT浚渫工1件だった。政令市、高速道路会社などで適用した案件はなかった。また、20年度の予定として挙げられているのは、現時点で東日本高速道路会社(NEXCO東日本)のICT土工1件のみ。
ICT活用工事は、建設生産プロセスの全段階(@3次元起工測量A3次元設計データ作成BICT建機による施工C3次元出来形管理などの施工管理D3次元データの納品)のいずれかでICT技術を活用する工事が対象。関東地整の場合、上記@〜Dの全てを活用、または部分活用したものを対象としている。
県内の19年度適用件数は、18年度(土工7件)の2倍近い水準となったものの、群馬県(95件)や茨城県(73件)、東京都(33件)など他の都県と比べると少ない状況にある。
19年度にICT活用工事として発注された県工事は土工14件、舗装工1件の合計15件。このうちの土工9件が受注者との協議を経てICT施工となった。横須賀土木事務所の道路改良工事(盛土・掘削、数量1万4000立方b)を除き、いずれも河川改修工事だった。事務所別の適用件数は、▽横須賀土木1件▽藤沢土木5件▽厚木土木1件▽平塚土木2件―となっている。
多くの案件の土工数量は1万立方b台。最も数量が少なかったのは、平塚土木事務所が発注した河川改修工事の5000立方bだった。
直轄工事では、横浜国道事務所の「H31厚木秦野道路秦野西IC改良(その1)工事」など土工5件の他に、浚渫工として京浜河川事務所の「R1鶴見川森永橋下流河道掘削他工事」がICT施工に適用された。舗装工は2件が発注されたものの、適用に至らなかった。
〇 20年度はNEXCO東日本で1件
20年度の発注予定を見ると、現時点で対象案件とされているのは、NEXCO東日本横浜工事事務所の「横浜環状南線釜利谷ジャンクションHランプ第二トンネル工事」の1件。数量10万立方bのICT土工で、第3四半期に発注される見通しだ。
提供:建通新聞社