高知県は、2020年度に創設された補助事業「道路メンテナンス事業」を活用し、橋梁108カ所、トンネル20カ所、道路付属物など11カ所で補修や修繕、設計、点検を推進する。事業費は橋梁が30億6800万円、トンネルが7億1700万円、道路付属物などが1億3600万円。
橋梁やトンネルなどの道路構造物は14年度から5年に1度の点検が義務付けられ、18年度で1巡した。このうち県管理の橋梁は2576橋で点検を実施、緊急措置段階のW判定はなかったものの、早期措置段階のV判定となったのは320橋あった。20年度は主にV判定となった道路構造物の中から、優先度の高い橋梁やトンネルを優先的に補修する。
橋梁では、県道畑山栃ノ木線の寺内橋(安芸市)、県道魚梁瀬公園の魚梁瀬大橋(馬路村)、県道中村下ノ加江線の四万十川橋(赤鉄橋・四万十市)など。トンネルでは国道195号の日ノ地トンネル(香美市)、国道494号の斗賀野トンネル(佐川町)など。道路付属物では、県道前浜植野線の高知空港地下道(南国市)、国道195号の舟戸歩道橋や高須歩道橋(高知市)などが対象となる。国庫債務負担行為の設定も認められており、魚梁瀬大橋については23年度までの債務負担行為として12億円を設定している。
道路メンテナンス事業は道路構造物の老朽化対策に特化した補助制度で、補修や修繕の財源が不足している地方自治体にとって大きい予算措置となる。県内でも田野町と大川村を除く市町村で事業費を計上しており、早期の補修に努める他、一部では橋梁の更新に充てる。
提供:建通新聞社