川崎市は、ちどり公園(川崎区千鳥9ノ1他)を民間活力の導入により、若者文化のランドマークとして整備するため、サウンディング型市場調査を実施する。これまで市が行ってきた検討結果などを踏まえ、改めて事業の推進・実現に向けた方策や、行政支援の在り方、今後の進め方などについて、民間事業者と対話を行う。関東一円から若者や家族連れが集まり、ちどり公園が若者文化のランドマークとなるよう魅力ある施設を整備するために、これまでに蓄積された民間のノウハウや、創意工夫を凝らした幅広いアイデアを募り、今後の具体的な公募条件の整理などに役立てる。
調査対象者は、自らが主体的に事業を実施する意向のある法人格を持つ民間事業者(NPO法人その他の団体を含む)またはそのグループ。業種、業態は問わない。参加申し込みの期限は7月8日。事前に質問を受け付け、回答を公表する。サウンディング調査(個別対話)は7月15日〜22日に実施する予定。提案された内容については、概要をとりまとめ、8月5日までに市のホームページで公表する。
今回の調査で提示してもらうのは、事業への参画に向けた考え方、事業の推進・実現に向けた方策や行政支援の在り方など。基本計画および昨年度のサウンディング調査を踏まえ、スケートボードまたはBMX、フリースタイルを導入コンテンツとすることを前提に整理した基本的な考え方、事業スキームや費用負担の在り方、事業スケジュール、具体的な施設イメージなどについて、各民間事業者の考え方を聞く。基本計画に掲げているその他のコンテンツによる施設整備などについても自由に提案してもらう。
川崎市では2018年、「若者文化の発信によるまちづくりに向けた基本方針」を策定。川崎らしい地域資源である若者文化の発信により、市の魅力を高め「若い世代が集いにぎわうまち」を目指すことを掲げ、東京2020オリンピック競技大会を契機に、大きな可能性を秘めた若者による文化を活用し、「若い人が多い」、「若者による文化が盛んである」という川崎市の特徴を生かした持続可能なまちづくりに向けた取り組みを進めている。
また19年11月には、基本方針に基づき、「若者文化に携わる市民一人一人りが主役となって本市の若者文化を盛り上げていくこと」という基本的な考え方の下、ハード面における具体的なコンテンツや、ニーズ調査などを踏まえた環境整備、ソフト面における取り組みの方向性、今後おおむね10年間のスケジュールなどについて定めた「若者文化の発信によるまちづくりに向けた環境整備等に関する基本計画」を策定した。
事業スキームについては、選定した民間事業者が整備と管理を一括して行う手法を検討するとしており、ちどり公園のうち5000〜8000平方b程度を民間に貸し付け、その他の区域を指定管理とする方向で検討。指定管理部分については市も整備費の一部を負担する方向で検討するとしている。
今後は、8月までに事業スキームや事業者募集条件などの検討を完了させ、9月〜12月に事業者公募を開始し、事業者・指定管理者(候補者)を選定する。
提供:建通新聞社