香川県は2021年度政府予算案に対する政策提案・要望をまとめた。緊急重要事項として、地方創生臨時交付金の継続を含む新型コロナウイルス感染症への対応を掲げるとともに、四国の新幹線導入や社会資本の総合的な整備を最重要事項と位置付け、必要な財源措置などを講じるよう求める内容となっている。
コロナウイルスへの対応では、感染防止対策や医療提供体制の整備に加え、住民生活や地域経済を支援するために創設された「新型コロナウイルス感染症対応地域創生臨時交付金」の継続など、地域の実情に応じた復興事業を実施するための財源措置を要請。併せて「働き方の新しいスタイル」として、多様な働き方を可能にする職場環境づくりの助成制度の充実が必要だとしている。
いまだに“空白地帯”となっている四国の新幹線導入については、瀬戸大橋を有効活用して岡山から四国4県を結ぶ路線として実現するよう、「整備路線格上げ」に向けた法定調査を実施するための予算措置を確実に講じるよう求める。
公共交通への支援では、鉄道やバスの新駅整備、バリアフリー化に向けて財政措置の充実を含めた制度拡充が必要だと指摘。鉄道施設の耐震対策に関する財政措置の充実や、17年9月の台風18号で被災したJR予讃線海岸寺駅〜詫間駅間の海岸護岸の早期復旧に必要な予算確保の必要性も訴える。
社会資本の総合的整備に当たっては、必要な事業費を確保するため、「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための3か年緊急対策」の継続、または新たな財源の創設を提案。具体的な事業として、地域高規格道路や空港・港湾へのアクセス道路、直轄国道、海岸堤防・河川堤防の地震・津波対策、20年度に新規採択された高松港国際物流ターミナルを挙げ、それぞれ事業推進に必要な予算を確保するよう求める。
さらに、南海トラフ巨大地震の発生が予測される中で、ため池の耐震化や老朽ため池の整備、それらの管理・保全の重要性を強調し、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」の終了後も安定した予算を確保することが重要だとしている。
提供:建通新聞社