名古屋市交通局は、地下鉄で2カ所目となる駅ナカ商業施設の整備に向けた調査に乗り出す。本年度は候補地の調査を実施して、実施対象駅を絞り込む方針だ。2019年12月に開業した伏見駅の「ヨリマチFUSHIMI」は、調査を実施した翌年度に整備運営事業者の募集を行っている。候補対象駅次第では早い時期に駅ナカ商業施設の具体化もありそうだ。
本年度の調査は15駅を対象に実施する。対象駅は▽中村公園駅▽今池駅▽本山駅▽星ケ丘駅▽金山駅▽矢場町駅▽黒川駅▽大曽根駅▽八事駅▽上前津駅▽鶴舞駅▽塩釜口駅▽久屋大通駅▽丸の内駅▽新瑞橋駅―。15駅で最大の乗降人数は、金山駅の1日当たり16万人。同5万人以上は矢場町駅、星ケ丘駅、久屋大通駅がある。
調査では、ゾーニング、店舗配置計画、運営形態(直営方式・デベロッパー方式)などを調査分析、開発規模や想定できる賃料などを比較評価する。比較評価を踏まえて、最終的に3駅までに絞り込み、3駅を対象に詳細調査を実施。具体的な駅ナカ事業の事業開発計画と基本計画図までを本年度内に策定する。また調査では、駅ナカ商業施設とは別に個別に店舗設置可能なスペースも把握する考え。
「ヨリマチFUSHIMI」の際には、事業者募集に先立つ調査を14年度に実施。駅の乗降数や周辺の商圏、店舗設置可能スペースを踏まえて伏見駅を選定した。同駅の店舗面積は883平方b。整備運営事業者の募集は、翌年度末にあたる16年3月に開始している。前回調査から6年が経過し、地上の開発環境や駅施設の整備状況が変化しているため、改めて調査を実施して実施駅を検討する。
伏見駅は、平日1日当たり15万人の乗降・乗り換え人員がある。乗り降りを示す改札通行人員でみると、ヨリマチFUSHIMIの開業した19年12月と20年1月は、前年同月比で約8%増加しているという。
提供:建通新聞社