移転新築する入善町役場新庁舎の基本構想案が、このほどまとまった。現庁舎(1971年築、RC造4階建て延べ4766平方メートル)の耐震不足や設備などの著しい老朽化、業務スペースの不足を理由に早期の対策が求められている。
基本構想案によると、基本理念に「町民の安全・安心を確保し、誰もが使いやすく機能的で、環境に配慮した庁舎」を掲げ、基本方針には(1)町民が利用しやすい(2)災害対応・防災拠点として機能(3)効率的な行財政運営ができる機能(4)維持管理がしやすく環境に配慮―を設定した。(1)ではバリアフリーデザインやユニバーサルデザインの導入、(2)で高い耐震性とともに災害対策本部としての必要な空間、設備、機能、さらに黒部川氾濫などによる浸水対策の検討。(3)で社会情勢の変化などに柔軟に対応できる議会空間や執務空間、(4)では省資源・省エネルギー設備や再生可能エネルギー設備の導入などを検討するとしている。
新庁舎には窓口、議会、執務、災害対応・防災拠点、管理、付加(町民交流、利便・民間サービス)の各機能を持たせ、延床面積は5000平方メートル程度を想定。ただし別の機能を有する公共施設を一体的に整備する場合などに別途検討。耐震安全性については、構造体は1類、建築非構造部材はA類、建築設備は甲類を目標とし、耐震構造または免震構造による設計を基本とする。
建設地は中央公園北側駐車場北側の民有地(入膳地内、9477平方メートル)。周辺には中央公園や総合定位区間、健康交流プラザ・サンウェルなど多くの公共施設が集積している。駐車場は230台程度を確保。概算事業費は約30億円を見込む。
整備にあたっては2020年度内に基本・実施設計に着手し、22・23年度で施工、24年度の供用開始を目指す。外構や解体などは24年度以降に実施。設計の発注方法はプロポーザルを含め検討していく。
基本構想案をまとめた入善町新庁舎整備基本構想策定委員会(委員長・森俊偉金沢工業大学名誉教授)は、19年8月に諮問を受け、計4回の会合を開き協議してきた。新庁舎整備に向けた基本的な考え方や機能などについてとりまとめ、今月1日に笹島春人町長に答申した。20年度当初予算に基本・実施設計費ほかに1億5366万3000円を計上している。