県大津土木事務所は、大津市梅林1丁目を流れる「吾妻川」の単独河川改良工事に着手する。シールド工法φ3700_×L400bの管布設を中心とするもので、20年度内をメドに護岸予備設計と分水工予備設計、放水路基本検討業務を取りまとめる。
今後のスケジュールとしては、施工場所の一部がJR大津駅の下に架かることから、今年度からJRと協議に入り、翌年度に跨いで21年度内には構造物の内容や、施工方法も含めて検討していく。現段階では施工時期は未定。
計画されている事業は、現在流れている吾妻川の拡幅による流下能力不足の解消が困難と判断し、同河川の下にトンネル河川を施工するもの。現在の計画では、内径φ3700_の円形水路を予定しており、大津市梅林まで完成しているトンネル河川からシールド工法にて全長400b延長し、琵琶湖へと放流している常世川と合流させる。また、吾妻川は国道1号を横断後に蟹川と合流するため、同事務所は分水工の計画もしている。
同河川は、13年(平成25年)に発生した台風18号により、吾妻川の上流では土砂崩れや破堤が起こり、JR大津駅東側の橋のあたりに流木や土砂が溜まって流れなくなったため、沿川で泥水や土砂が溢れその水が、一斉に低い所を伝い、琵琶湖の方へ流れていったため広域の家屋や道路の浸水が発生した。それにより、県は早急な対策が必要とし翌年14年に「第1期河川整備5ヵ年計画」を打ち出し対応を進めてきた。また、同河川にはJR線・京阪線が通過しており、また周辺施設に県庁舎などの主要公共施設が設置されている。18年に発生した西日本豪雨のような大雨が局地的に発生した場合、現地は人口密集地であり公共交通機関が含まれていることもあることから、整備計画自体も慎重にかつ利用者の迷惑にならないよう整備を進めなければならないため、同事務所でも綿密に整備計画をまとめて行くとしている。
提供:滋賀産業新聞