熊毛地域の港湾・漁港整備の方向性について9日、県議会で議論が交わされた。三反園訓県知事は西之表港を「耐震強化岸壁が必要と考えている。港湾計画上の位置付けを検討したい」と意気込みを述べた。また、口永良部漁港の耐震対策は、五田嘉博商工労働水産部長が「接岸施設改良を2020年度から実施する」と説明。松里保廣議員(自民党、西之表市・熊毛郡区)の一般質問に答えた。
西之表港は、重要な拠点港で地震等の大規模自然災害発生時において、海上からの物資や人員、資機材等の輸送ルートを確実に確保する必要があり、耐震強化岸壁の整備等を地元が要望。三反園知事は「国や地元、港湾利用者等と意見交換を行い港湾計画上の位置付けについての検討をしたい」と話した。
口永良部漁港の本村地区では、地震等の大規模地震による津波や大型化する台風に対し、機能向上を図り、地元沿岸漁業や県内外まき網漁業の安定操業と定期船の安定就航が求められている。
同地区の海岸護岸長寿命化対策は18年度から着手しており、現在は離岸堤の工事を実施している。五田商工労働水産部長は「定期船や漁船が接岸する施設は19年度に、耐震対策等の設計を行い、20年度から改良を実施する」と見通しを述べた。
兒島優一土木部長は、宮之浦港、安房港について説明。「港内静穏度の向上を図るための防波堤改良など、島間港では航路の埋塞対策として、防砂堤の改良を進めている」と答弁した。
このほか、地方創生港整備推進交付金を活用して、21年度から住吉漁港では浮桟橋および防風柵を新設して、就労環境改善を行うことで、荷揚げ作業の軽労化・効率化のほか、安全性向上を図る。