静岡市は1日、桜ケ丘病院側に、病院移転候補地として、現清水庁舎の駐車場を打診した。新型コロナウイルス感染症対策として新清水庁舎建設事業を凍結したことで、庁舎跡地への移転を計画していたが白紙に戻ったためだ。病院側は、今後検討して回答することになるが、期限などは設けていない。
市が打診したのは、現清水庁舎前の第1駐車場約2000平方b、第1駐車場の海側に隣接する第2駐車場約1000平方b、庁舎北東側の第3駐車場約2500平方b。市側は、第1駐車場+第2駐車場、第2駐車場+第3駐車場の選択肢を示した。現清水庁舎敷地面積が約7700平方bのため、いずれにしても規模の縮小化は避けられそうにない。
これらの駐車場は、当初から移転候補地となっていたものの、その後、新清水庁舎の移転建て替えに伴い、現清水庁舎跡地への移転が確定していた。しかし、新清水庁舎建設が凍結されたことで、市は病院側と会議を開き、今後の対応を協議する中で、代替え案として再提示した。市から、前田誠彦政策官、和田明久市保健福祉長寿局長や部課長らが出席。病院側は内野直樹院長や事務局長、病院を運営する地域医療機能推進機構(JCHO)の職員らが出席した。
新清水庁舎建設事業は凍結されたものの、第3次総合計画の見直しの中で流動的になっている。駐車場への移転案を打診した背景について、新清水庁舎建設事業の早い時期での再スタートが望めないことを踏まえた判断とも解釈できるが、この点について市は、まったく無関係で、病院側の早期建て替えの希望を踏まえた提案だとした。
会議では、早期の建て替えに踏み切っても、現在の状況下で、医師の確保が可能か否かの問題がある。市、病院側共に、建て替えと医師確保は両輪との認識で、今後も調整協議を続けていく。
現桜ケ丘病院は、鉄筋コンクリート造4階建て約200床の規模で、老朽化に加え耐震性能などの課題を抱える。所在地は、清水区桜が丘町13ノ23。
提供:建通新聞社
(2020/6/8)
建通新聞社 静岡支社