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建設経済新聞社
2020/06/05

【京都】左京区大原の百井青少年村 魅力ある施設へ検討始動

 京都市は4日、左京区大原の百井青少年村のあり方検討会議の初会合を開催。老朽化などの現状や課題を踏まえた今後のあり方について意見交換した。
 京都市百井青少年村(左京区大原百井町356)は、青少年の福祉の増進及びその自然に親しむ活動の振興を図るため、野外活動の用に供することを目的に昭和47年7月に設置された。敷地面積は1万3740・74u。
 主な建物は、昭和47年6月築の山の家(W造平屋建、152・37u)、昭和55年7月築のロッジ棟(A・B)(W造2階建、延125・86u)、昭和57年3月築の指導員事務室(管理棟)(S造平屋建、72・5u)、平成13年3月築のホール棟(交流センター)(RC造2階建、延277・84u)のほか、便所(W造平屋建、16・56u及びW造平屋建、18・36u)、炊事場(W造平屋建、24・00u)などがあり、合計延726・43u。テントを設営できるテントサイトがある。
 昭和45年に夏季のみ利用できるキャンプ場として、京都市百井キャンプ村を開設。その後、宿泊施設としてロッジ棟を整備した後、昭和47年7月に関連条例を制定するなどし、現在の名称となる京都市百井青少年村を開設した。山の家の整備後の昭和55年からは通年利用を開始。その後、平成13年5月に交流センターを整備し、同施設を管理棟として運営している。管理は指定管理者の一般財団法人ポジティブアースネイチャーズスクール(京都市中京区)。
 開設から50年近くが経過し、施設の老朽化が進展。特に老朽化が著しいロッジ棟及び山の家(宿泊棟)は現在の建物のまま適切な宿泊サービスを提供することが困難なことから、使用を停止している。また学校関係や青少年関係団体など固定の利用者はいるものの、新規の利用者が大きく伸びず、利用者数が低迷している。宿泊棟(山の家20人、ロッジ棟50人の計70人)の使用再開のメドが立たないことから、今後さらに利用者が減少することが見込まれる。ここ数年は9000人から1万人程度で推移。
 こうしたことから、施設全体のあり方の検討に入る。
 都市計画法上の都市計画区域外のため、1万uを超える開発行為は許可が必要、建築基準法第22条指定区域のため、屋根を不燃材で葺くこと、木造建築の場合は外壁の延焼のおそれのある部分を準防火構造とするなどの規制がある。
 あり方検討会議の初会合では、施設の老朽化について、「宿泊棟を改修する場合、目立った箇所を改修するだけで約300万円程度の費用が必要。木造であり、湿度の高い環境であること、建物自体が床下に雨水を貯め込む構造であることから、近い将来、同様の劣化が生じ、改修が必要となる可能性が高い」と課題を示した。
 今後の論点は、▽近隣施設との差別化を図り、魅力ある施設をどのように作っていくか−と設定。アスレチックなどの新たな施設の必要性、宿泊棟の必要性、地域コミュニティの活性化への貢献、資金の確保、指定管理者制度にとどまらない民間活力の導入、施設や設備の整備・保全のあり方などを検討する。
 8月上旬頃に意見とりまとめ案を示し、9月以降に必要に応じて条例改正を含む見直しを実施。見直しに伴って必要となる令和3年度予算要求を行う。その後、令和3年度以降に見直しに伴う事業実施を予定。