国史跡青谷上寺地遺跡の公園整備が20年度から本格的にスタートする。県は史跡指定地14fを対象に、旧弥生時代の環境を再現するほか、エントランス部には中核拠点の「展示ガイダンス施設」や駐車場を整備する。事業期間はおおむね10年間。総事業費22億円を見込む。
18年度に策定した整備基本計画では、鳥取西道路・青谷IC西側のエリアで、山陰道を南北に挟んだ史跡指定地に弥生時代の空間を創り出す。
今年度はエリア西側に建設する「展示ガイダンス施設」の基本設計に取りかかる。「6月補正」に基本・実施設計費9500万円を計上。21年度にかけて実施設計を終えて、22年度早々に着工。23年内のオープンを目指す。
施設規模は鉄筋コンクリート造(一部CLT)2階建て1750平方b。1階に魅力発信や体験学習スペース150平方b、2階には貴重な出土品1353点の展示スペース240平方bを配置する。
「6月補正」では別途に出土品の展示設計費2300万円を盛り込み、実績のある設計会社に外部委託する。
このほか高床倉庫2棟は鉄骨造平屋建て15平方b、トイレ・倉庫・休憩スペースの便益施設が木造(CLT)平屋建て87平方b、維持管理用倉庫が木造平屋建て50平方b。各施設の見込み額は▼展示ガイダンス施設10億8000万円▼高床倉庫2000万円▼便益施設5400万円▼維持管理倉庫1100万円▼電気設備2200万円▼機械設備6100万円―の概算費12億5100万円。
また、史跡公園整備は山陰道南側のエリアが中心で、ビオトープなど「弥生の湿地ひろば」「にぎわい交流ひろば」といった1800年前の景観をよみがえらせる。今年度は現地測量や地質調査、工事用道路の整備に9200万円を充てる。
県とっとり弥生の王国推進課は「同時代の妻木晩田遺跡とセットで『弥生の王国』を情報発信し、当時の文化を身近に感じてもらえる施設にしたい」(同遺跡整備室)と話しており、今後完成した施設や広場から順次公開し、29年度の全面オープンを目指す。
日刊建設工業新聞