三反園訓県知事は1日、第2回県議会定例会本会議の提案理由説明で、屋久島空港のジェット機就航に必要な滑走路延伸およびターミナル地域の基本計画を確定したことを明らかにした。PI(パブリック・インボルブメント)結果に基づき、住民の合意形成が図られたと判断。今後、事業化に向けて環境影響評価の手続きや測量等を行う。概算事業費は公共が施工する部分で150億円程度を見込む。
基本計画をみると、運用を継続しながら拡張を行うほか、現敷地を生かし周辺地形への影響、施工性等を考慮して両端を拡張する。
具体的には、切土量と盛土量のバランスを考え、最も効率的な南東側へ320m、北西側は屋久島町役場付近で県道を付け替え180m延伸。施設延長は現在の1620m(滑走路1500m)から2120m(同2000m)となる。滑走路端安全区域(RESA)は、両端とも国際基準の長さ90m、幅90mを確保する。
ジェット機の駐機場として幅60m、奥行き75mのスペースのほか、長さ75mで幅15mの大きさがある誘導路も新設する。
照明施設は、簡易進入灯をはじめ、滑走路中心灯や誘導路中心線灯、計器着陸装置(ILS)では滑走路中心線への誘導を示す信号を発射するローカライザーを新設し、運航条件が改善され欠航便の減少につなげる。
敷地拡張のうち旅客ターミナルビルは、現施設(RC造平屋建て638・74u)の約3倍の建築が可能となる広さ、将来のCIQ施設の設置等を考慮して拡張用地と給油施設敷地も確保。駐車場は現施設の収容台数以上とする。
PI活動は、公共事業の透明性や客観性の確保のほか、住民等関係者との円滑な合意形成を図るため実施。今回、町民等の意見のうち約9割が「滑走路を延伸する方がよい」と判断。評価委員会では「活動は妥当」と認め基本計画を定めた。
今後は、環境におよぼす影響の調査・予測・評価や計画施設に対する基本的な測量や設計、ジェット機就航見通しの確認と用地確保を進める。
■鹿児島港新港区
今月末に完了
老朽化した旅客ターミナルや貨物上屋等のほか、耐震強化岸壁、臨港道路等の整備が進められている鹿児島港の新港区は、6月末に工事が完了する見通しとなったほか、臨港道路「鴨池中央港区線」は6月中に橋梁に着工することも明らかにした。